法改正を伴って行ったヨーロッパで初めての嗜好用大麻合法化国であるマルタ共和国。
マルタでは、嗜好用大麻を2021年12月に合法化し、2022年中には合法的に大麻を購入できる大麻クラブを開設することを目指していましたがスケジュールが遅れていました。
大麻の規制を監督する機関である「ARUC(Authority for the Responsible Use of Cannabis)」は、1月27日に大麻クラブのオーナーになることに関心がある人々を集め、マルタにおける大麻クラブの概要や申請プロセスの説明を行いました。

マルタにおける大麻クラブ設立に関する主なルール
- マルタでの大麻販売店は非営利の会員制大麻クラブとしてのみ認められており、反麻薬団体に配慮して、大麻クラブは「Cannabis Harm Reduction Associations」と呼ばれる。
- ライセンスを取得するには、2名の設立メンバーと5年間以上マルタに居住していることが条件となる管理者のリストが必要。大麻クラブには品質管理者やセキュリティや流通の責任者も必要となる。
- 大麻クラブが組織犯罪の隠れ蓑として利用されるのを避けるために、破産、マネーロンダリング、テロ資金調達の犯罪歴がある場合、管理者になることはできない。
- ライセンスは、登録料1,000ユーロを支払う必要があり、ライセンス料は先着50名で、8,750ユーロから。金額は会員数によって異なる。各クラブの会員数は最大500名まで。(18歳以上であれば誰でも会員になれますが複数のクラブの会員にはなれません。21歳未満はTHC含有量に上限があります。)
- ライセンスは1年間有効で、その後3年間の更新が可能。
- 大麻はバッズの状態で販売し、ジョイントにした状態での販売は不可。グラインダーなどの道具はクラブで販売可能。また、アルコールの販売は不可。
- 販売される大麻には、大麻の使用を思いとどまらせるような警告が含まれている必要がある。
- 大麻クラブは、人目に付かない場所で種から栽培することが可能。海外から種子を購入することもできるが、EUおよびその他の承認された地域からに限る。
- 大麻クラブは、学校や青少年センターの近く以外であればマルタのどこにでも店舗を構えることができるが、看板や店名で大麻の使用を促進することはできない。
- 大麻クラブは、監査を受け、会計報告を提出する必要がある。すべての収益は、クラブまたは給与に再投資しなければならない。
- 利益よりもハームリダクションに焦点を当てることが義務付けられ、ハームリダクション基金への寄付が義務付けられる。大麻クラブで働くには、ARUCによるハームリダクションのトレーニングを受ける必要がある。
- 現在のところ課税対象にはならないが、大麻の販売に付加価値税を適用すべきかはARUCが歳入庁とともに検討中。
- 大麻クラブ内での喫煙に関しては、議論が続いておりまだ決まっていない。
- 各事項の違反が発覚したクラブはライセンスが取り消され、大麻が没収される可能性がある。
ARUCの局長に就任したレオニード・マッケイ(Leonid McKay)氏は「大麻が商業化されないことが重要である。ARUCの目的は大麻の普及ではなく闇市場のギャングを避けるためで、安全で規制された市場を作ることである」と述べています。
Lovin Malta「It Begins February 28th: Everything You Need To Know About Opening A Cannabis Association In Malta」https://lovinmalta.com/news/it-begins-february-28th-everything-you-need-to-know-about-opening-a-cannabis-association-in-malta/
MaltaToday「Cannabis reform: Applications for non-profits will open on 28 February」https://www.maltatoday.com.mt/news/national/120963/cannabis_reform_applications_for_nonprofits_will_open_on_28_february#.Y9SOl-zP23I
Times of Malta「Cannabis ‘Harm Reduction’ clubs can apply to sell home-grown drug from February」https://timesofmalta.com/articles/view/cannabis-harm-reduction-clubs-apply-sell-homegrown-drug-february.1009818