ルクセンブルク、嗜好用大麻を合法化

ルクセンブルク、嗜好用大麻を合法化

- EUで2番目の嗜好用大麻合法国に

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6月28日、ルクセンブルク議会は嗜好用大麻の所持と栽培を合法化する法案を賛成多数(賛成38票、反対22票)で可決。これにより、ルクセンブルクはマルタに次いで、EU内で嗜好用大麻を合法化する2番目の国となりました。

ルクセンブルクは2018年にヨーロッパで初めて嗜好用大麻を合法化する計画を発表し、2021年には嗜好目的での大麻の栽培や使用を合法化する法案を提出。様々な要因が重なり立法が進まなかったものの、今年4月末には再度嗜好用大麻合法化に向けた計画が発表されました

これらの期間を経て、ついに今回本会議で嗜好用大麻の合法化法案が審議・投票に至り、承認される運びとなりました。この法律は近日中に官報に掲載され、法制化されます。

※2023年7月19日追記

同法は2023年7月17日に官報に掲載され、7月21日より施行されることになりました

この法案では、成人における3gまでの乾燥大麻の所持、1世帯につき4株までの大麻の自家栽培が可能となります。公共の場での所持・消費は引き続き禁止され、これらが判明した場合は罰金刑が課されます(3gを超える所持では、6ヶ月以下の懲役または2,500ユーロの罰金)。

大麻の栽培は自宅か常居所で行い、公共の場から見えないようにする必要があります。また、現在ルクセンブルク国内の店舗で大麻の種を入手することはできないため、オンラインか海外で購入しなければなりません。大麻の栽培は「7月中」には可能になる予定です。

国会本会議において、サム・タンソン(Sam Tanson)法務大臣は、薬物に対する抑圧的な政策は「絶対的な失敗」であるとし、「私たちはあえて(禁止ではなく)別の道を歩まなければなりません」「解決策を模索しなければなりません」と発言。

タンソン法務大臣の同僚であるジョゼ・ロルシェ(Josée Lorsché)氏は、法案について「大麻を平凡化したり、促進したりする問題ではありません」「麻薬関連犯罪と闇市場での大麻販売に対抗する問題です」と述べ、さらに違法薬物市場で提供されるものは「使用者の健康にとってより有害」であり、法案はより良い品質の製品の提供にもつながると付け加えました。

プライベート空間での大麻の消費、栽培を合法とした今回の法案は最初の一歩に過ぎず、今後同国では第2段階として、国が管理する大麻の生産と販売のサプライチェーンを発展させる予定です。

ヨーロッパではマルタやルクセンブルク以外でも、今年に入りドイツチェコが嗜好用大麻の合法化計画を明らかにしています。

Marijuana Moment「Luxembourg Parliament Votes To Legalize Marijuana Possession And Cultivation, Making It Second EU Country To End Prohibition」https://www.marijuanamoment.net/luxembourg-parliament-votes-to-legalize-marijuana-possession-and-cultivation-making-it-second-eu-country-to-end-prohibition/

Cannabisindustrie.nl「Luxemburg legaliseert cannabis als eerste in Benelux, tweede in Europese Unie」https://cannabisindustrie.nl/luxemburg-legaliseert-cannabis-als-eerste-in-benelux-tweede-in-europese-unie/

RTL Today「Luxembourg legalises cultivation and consumption of cannabis at home」https://today.rtl.lu/news/luxembourg/a/2079984.html

Newsweed「Le Luxembourg met fin à la prohibition du cannabis」https://www.newsweed.fr/luxembourg-met-fin-prohibition-cannabis/

廣橋 大

麻マガジンライター。看護師国家資格保有者。2021年より大麻の情報発信に携わる。

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