人口63万2000人のヨーロッパの国ルクセンブルク政府は、大麻に関する法律の改正をし嗜好用大麻の自家栽培と使用を合法化する法案が提出されたことを10月22日発表しました。TheGuardian等多くのメディアが報じています。
法改正がされた場合、18歳以上の成人が個人使用目的で1世帯あたり4株までの大麻を合法的に栽培・使用できるようになります。
THC含有量に制限を設けることもなく、店舗での種の購入、オンラインでの種の購入、外国からの種の輸入も認められます。
栽培場所は、居住地の屋内または屋外(バルコニー、テラス、庭など)に限定されます。
また、使用可能場所は自宅のみで、公共の場所での所持・使用は引き続き禁止のままです。
法案は2022年初頭に国会で採決予定で、可決される見込みです。可決されればヨーロッパでの初めての嗜好用大麻合法化となります。(オランダを筆頭に合法化を感じさせる国がヨーロッパにはありますが、それらは法律上は違法のままでありながらも個人使用目的では取り締まらないという寛容政策を取っています。)
※2021年12月15日追記(ヨーロッパ初の嗜好用大麻合法化は、マルタ共和国に決定)
ルクセンブルクの法務大臣サム・タムソン(Sam Tamson)氏は、国内での栽培・使用に関する法改正は第一歩であることを伝え、「私たちは行動を起こさなければならないと考えています。まずは自宅での栽培を許可します。消費者が大麻を使用しても違法にならず、多くの不幸が伴う違法市場から遠ざける、できる限りのことをしたいと思います。」と述べています。
タムソン法務大臣は、今回の法改正によって3グラムまでの公共の場所での所持と使用は軽犯罪に分類され、罰金は現在の251ユーロ〜2500ユーロから25ユーロへと減額されること。3グラム以上の場合は販売目的とみなされることも伝えています。
また、ルクセンブルク政府は製品の品質を確保するために国が規制する生産流通システムを構築する計画をしており、販売による収入は主に依存症の幅広い分野における予防、教育、治療に投資される予定です。
この法改正によってルクセンブルクは、カナダ、ウルグアイ、米国の一部の州と同様に、国連の麻薬単一条約に違反することになります。
この条約では、署名国は大麻を含む麻薬を「医学的および科学的な目的に限って制限すること」が定められています。