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「イギリス」現在の大麻の合法化状況

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嗜好用大麻

違法

医療用大麻

合法

分かりづらい複雑な法律の表記の解釈の難しさ、国内での実際の取り締まりの地域差など、イギリスの大麻の合法性は非常に難解です。

合理的な単純明快な法整備が必要だと感じます。

イギリスの嗜好用大麻の法律

大麻はイギリス全土で、あらゆる年齢層、あらゆる経済的背景を持つ人々に広く使用されています。

 2017年には、16歳から59歳の7.2%が直近1年間に大麻を使用したと告白。[1]

欧州麻薬報告書2017では、15歳から64歳までの人々の29.4%が少なくとも一度は大麻を使用したことがあると告白。[2]

しかし、イギリスの嗜好用大麻は違法で麻薬乱用防止法のクラスBに分類。2004年に罰則の軽いクラスCになりましたが、2009年に再度クラスBに戻されました。

クラスBの薬物の輸入、生産、売買の場合は、14年以下の懲役と無制限の罰金が科されます。所持の場合は5年以下の懲役と無制限の罰金となっています。

英国内務省のライセンスに基づいて特別に許可された場合にのみ1971年麻薬乱用防止法の下で合法的に行えると明記はされていますが、内務省は嗜好目的の使用を許可するライセンスを発行しない方針です。

例外
2015年イングランド北東部ダラム (Durham)警察は、個人消費のために大麻栽培をしている人を今後は取り締まりのターゲットにしないと発表。

ミッドランド東部(East Midlands)のダービーシャー (Derbyshire)、イングランド南西部のドーセット(Dorset)、イングランド南東部のサリー(Surrey)の各警察も同様の発表をしました。この動きは、大幅な予算削減によるもので緊急性の高い事件を優先するための措置です。また、イングランド南西端のコーンウォール(Cornwall)やその隣のデボン(Devon)では大麻事案の起訴率が15%と低いです。

2018年にInstitute of Economic Affairs(IEA)は、イギリスの大麻市場規模と合法化の潜在的な影響を調べたレポートを発表。この報告書によると現在の非合法市場は25億ポンド(約3700億円)以上となっています。[3]

大麻は依然として法律上クラスBの薬物ですが、個人使用(1オンス(28g)程度)であれば以前ほど厳しく取り締まりを行っていないようです。

近年では、個人使用目的の所持については再犯者でない限りいきなり法に則って起訴をする形を取られないことが多く、個人使用目的の大麻の所持は警察が罰則通知(PND:Penalty Notice for Disorder)を発行し警察データベースに記録し罰金を支払います。3回目の所持が発覚した場合は起訴される可能性が高く、スリーストライク制度とも言われています。

イギリスの医療用大麻の法律

2018年 合法化

大麻を使用することで症状が改善した2人の子どものてんかん患者が大きく世間の注目を高めた後、2018年11月1日に医療用大麻が合法化されました。

Billy Caldwell(12歳)とAlfie Dingley(6歳)の2人はいずれも大麻を使用し始めてから症状が大幅に改善。しかし、イギリスの法律では医療目的であっても大麻使用が認められず薬が当局に没収された後、生命を脅かす発作で入院した際に世論の反発が起こりました。

2019年12月にSapphire medical社が最初の民間大麻薬局を開設。それ以降、多くの大麻薬局が開設されています。

法律ではGPが大麻由来の医薬品を処方することはできないと規定されており、NHSの方針では患者が資格のある症状であることに加え、他の治療法が尽くされた場合にのみ処方されるべきであるとしています。

GPとNHSとは?

GP(General Practitioner)は、日本語で言うところの「かかりつけ医」のこと。

NHS (National Health Service)という1948年から実施されている医療費原則無料の国営医療保険制度がイギリスにはあります。(当初は旅行者も無料で受けられましたが現在はイギリスに1年以上滞在予定の人が対象となっています。)

この制度ではGPの登録が義務付けられています。そのため、1年以上滞在する場合はGPの登録をあらかじめ行い、病気になるとまずどのような症状でもGP登録をした医師の診療を受けます。専門医な治療が必要な場合はGPからの紹介で治療を受けることになり、GPを通さず専門医の診療を受ける場合はプライベート診療となり全額負担となります。

処方される大麻医薬品

サティベックス(Sativex)

承認された大麻由来の医薬品。多発性硬化症による痙攣や、化学療法による吐き気・嘔吐の治療に処方。

ナビロン(Nabilone)

承認されたカンナビノイド医薬品ですが合成THCであり植物由来ではありません。細胞毒性化学療法による吐き気や嘔吐の治療に処方。

2020年末のEU離脱に伴い、イギリスで発行された処方箋がEU加盟国で使用できなくなり大麻由来医薬品の輸入は困難になりました。

イギリスの産業用大麻の法律

THC含有量0.2%以下をヘンプと定義。

ヘンプは、内務省が発行するライセンスに基づいて栽培・加工することができます。

ライセンスの有効期間は3年間でライセンスは該当年の12月31日に失効します。ライセンス申請書には、最終的な用途を記載する必要があります。

使用できるのは種のみで花や葉、茎などは廃棄処分されます。

CBDオイルは医薬品ではなく、1容器あたり1mg以上含まれていない限りライセンスや処方箋なしで販売することができます。

 

しかし、ヘンプの花を原料とした製品が多くの企業からオンラインでも店舗でも販売されています。これは、政府があまり強く取り締まっていないことと輸入品を使用しているためです。

これらのCBD製品は人気が高まっているにも関わらず海外からの輸入に頼っていることから、現在国内で花などの部位を廃棄処分されている農業関係者が反発しています。

イギリスの大麻の歴史

歴史を大きく動かし数々の国を植民地とした英国海軍の成功には麻縄が欠かせなかったことから、1533年にヘンリー8世は土地所有者に大麻の割当栽培を義務付けました。その後エリザベス1世は割当量とそれを達成できなかった場合の罰則を増やしました。より多くの繊維を求めることが新しい土地を植民地化すると言われ、イギリスの経済において大麻は非常に重要な役割を果たすようになりました。大麻は丈夫で栽培しやすいことからイギリスの新植民地で栽培するのにも理想的な作物でした。

 

東インド会社の医務官としてインドのベンガルにいた際に大麻を研究していた医師ウィリアム・ブルック・オショーネシーが1842年にイギリスに帰国する際に大量の大麻を持参し紹介したことで大麻は西洋医学界で注目されるようになりました。

イギリスが新たに大英帝国に加えた地域では、すでに精神作用のある大麻の使用が広まっていました。ジャマイカへは1850年から1860年代にかけてイギリスが統治していた時代にインドから輸入された大麻が導入されました。ジャマイカの大麻文化で使われている用語の多くは、ガンジャを始めインドの用語に基づいています。

イギリスの植民地では、イギリスよりも早く大麻の禁止が始まりました。イギリス領インドでは、1838年、1871年、1877年に大麻の違法化が試みられました。1840年にモーリシャス、1870年にシンガポール、1913年にジャマイカ、1914年にイギリス領東アフリカ、1920年にはシエラレオネで大麻が禁止されました。

イギリスでは、1928年に初めて麻薬としての大麻を禁止にしました。

日本人に向けた外務省からの注意喚起

日本では、大麻取締法において、大麻の所持・譲受(購入を含む)等については違法とされ、処罰の対象となっています。この規定は日本国内のみならず、海外において行われた場合であっても適用されることがあり、在留邦人や日本人旅行客におかれましては、これら日本の法律を遵守の上、日本国外であっても大麻に手を出さないように十分注意願います。

石井 竜馬

海外の大麻企業(栽培・加工・販売免許を保持して6年目)に投資家として関わる。コロナ騒動を機に日本で山暮らし開始。標高1,000mの地で井戸を掘り、湧き水と共に農的暮らし。珈琲焙煎士でもある。ヨガ歴19年。

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