2022年4月、犬アトピー性皮膚炎に対しCBDを使用することでかゆみの発生を減少させたとする症例報告が、日本の獣医師らにより公開されました。
この研究では、犬アトピー性皮膚炎に対しCBDによる加療を行った8症例を振り返り、得られた効果や副作用、薬物の併用による影響を検討しています。
CBDは他の薬剤と併用しても忍容性が高く、またCBDを1日2回摂取することにより、犬アトピー性皮膚炎によるかゆみの発生を減少させたことを報告しています。この症例報告は、世界でも初となります。
現在まだ概要しか公開されておらず詳細は分かりませんが、今年7月1日に全文が公開される予定です。
なお今回論文を公開した獣医師らは、昨年7月にも「カンナビジオール(CBD)の犬および猫に及ぼす行動学的影響:オープン臨床試験」という症例報告も発表しています。
この研究においては、CBD0.3〜1.7mg/kg/日を8匹の犬と4匹の猫に8週間経口投与した結果、10匹において異常行動(攻撃性、音に対する過敏性、恐怖関連行動など)が改善したことを報告しています。
これらの症例報告を発表された、動物CBD加療の研究に尽力されている方々を簡単にご紹介します。
茂木千恵(獣医師)
東京都八王子市にあるヤマザキ動物看護大学動物看護学部の准教授。上記の2つの症例を報告をした中心人物。
アニマルCBD研究会を通して、小動物におけるカンナビノイド研究を推進し、国内の動物医療・福祉に寄与。
アニマルCBD研究会では、動物へのCBDの使用方法や注意点、CBDによる症例報告、CBD加療を実践している動物病院のリストなどが掲載されています。
吉田昌則(獣医師)
神奈川県相模市にあるひだまり動物病院を中心に、「犬猫皮膚の診療室」として首都圏で動物医療に携わる。
「犬猫皮膚の診療室」のホームページでは、CBDによりアトピー性皮膚炎の治療に成功した症例が報告されています。
福山貴昭(認定動物看護師)
ヤマザキ動物看護大学動物看護学部の准教授。
川野浩志(獣医師)
東京動物アレルギーセンターのセンター長。アレルギー性皮膚疾患の臨床研究に情熱を注いでおり、東京動物アレルギーセンターにおいてもその役割を、アレルギー性皮膚疾患の対症療法ではなく根治治療としている。
新井敏郎(獣医師)
日本獣医師生命科学大学教授。