アイルランド初、医療用大麻クリニックが開業

これらの病状に当てはまる人はプライマリーケア償還サービス（PCRS）に申請することで、特定の医療用大麻製品に限り費用の払い戻しを受けることも可能です。

Medicannは2019年に初めて設立された医療用大麻クリニックで、英国王室属領であるマン島、ジャージー島、ガーンジー島を拠点としています。

アイルランドで新たに設立されるクリニックでは現在、自身の病状が医療用大麻治療の適応なのかを確認したい患者を受け入れています。

患者はMedicannの遠隔医療ポータルを介してオンライン予約を行うことで、大麻の花、オイル、外用クリームといった様々な医療用大麻製品が自身の病状に処方され得るのかを評価してもらうことが可能です。

このクリニックでは、アイルランドで医療用大麻の使用が認められている3つの病状だけでなく、医療用大麻で治療可能な全ての病状を対象としています。

Medicannによれば、アイルランドでは現在9,000人以上が多発性硬化症と診断されており、多くの人が医療用大麻により恩恵を受けると予想しています。

MedicannアイルランドのCEOであるゲイリー・ウィップ（Gary Whipp）氏はプレスリリースで「2018年に英国が初めて医療用大麻を合法化した時から、私は早くも（医療用大麻が）患者の生活の質を改善する可能性を見出しました。そして、この4年間、資格のある患者に対しこの天然の薬へのアクセスを提供してきました」

「アイルランドで最初に開業するクリニックとして、患者さんがこの治療へのアクセスを待ち望んでいたことは承知しています。Medicannの専門医の指導と支援のもとで、患者さんが病状をより良く管理し、生活の質を改善するお手伝いができることを非常に楽しみにしています」と述べました。

なお、オーストラリアの大麻企業「Althea Group Holdings Limited」は最近、同社のTHC:CBD=20:1の医療用大麻オイルがアイルランドにおいて保険適用として認められたことを発表。適応症は化学療法に伴う難治性の悪心・嘔吐となっています。

同社の子会社である医療用大麻クリニック「マイアクセスクリニック（MyAccess Clinics）」は今月より、アイルランドで患者への診察を開始する予定です。

また、アイルランドでは10月より、多発性硬化症の痙縮に対するサティベックスの処方も保険適用となりました。