チェコ共和国の下院議会は、大麻に関する法改正を可決しました。
この新法案の柱は、「テクニカルカンナビス(Technical Cannabis)」という事実上産業用大麻(effectively industrial hemp)という概念の導入によってTHC含有量1.0%以下の大麻や抽出物は中毒物質とみなさないことです。
これにより、チェコでは産業用大麻(ヘンプ)に含まれるTHCの含有量を現在の0.3%から1.0%に変更する見込みです。
国際的な麻薬取締法に抵触する可能性があるため上院議員の一部は懸念していますが、ミロシュ・ゼマン(Miloš Zeman)大統領は改正法案に署名する見込みです。
チェコが加盟しているEUでは、現在THC含有量の上限を0.2%に定めており、昨年秋に上限値変更を定め2023年から0.3%への引き上げを予定しています。
今回の法案を支持する主要な政党の一つであるチェコの政党の海賊党は、党のホームページで「これは、教条主義や固定観念にとらわれない、実用的な措置である」と述べています。
・CBDの含有量は大麻のTHC含有量に比例して増加するため、CBDの抽出プロセスがより効率的になり、チェコの生産者はヨーロッパの競合他社よりも有利になる。
・晴天が続くなど栽培条件によってはTHC0.3%を超えてしまい収穫物を廃棄しなければならないリスクがあるため、そのリスクが抑えられ製品価格が安くなる。
「新法案はこのような問題を取り除き、チェコの生産者がEU市場に高品質の原料を提供する道を開くものです」と海賊党の副党首トーマス・ヴィマサル(Tomáš Vymazal)氏は述べています。
海賊党は、この法案はチェコの大麻に対する考え方を変えるための第一歩であり、最終的には嗜好用大麻の完全合法化を目指すとしています。
また、今回の改正法案の主な他の変更点の一つとして、民間企業が医療用大麻を栽培し、製品を製造、流通させることができるようになります。
これは、医療用大麻を求めているEUのすべての国に影響を与える可能性があります。消費者としては、医療用大麻製造国・企業が増えることで安価に手に取ることができるようになるでしょう。