7月20日、チェコ共和国のペトル・パベル(Petr Pavel)大統領は音楽祭「Colours of Ostrava」のディスカッション・フォーラムに参加。いくつかの重要トピックについて語る中で、嗜好用大麻の合法化や大麻関連犯罪の恩赦に対し支持を表明しました。
1時間ほどのインタビューの中で、パベル大統領は電子投票による選挙の必要性などについて強調する一方、大麻の話題についても言及。大麻は他の合法薬物と比べて害が少なく、合法化を検討することが適切であるとし、そのような場合には現在大麻関連の犯罪で投獄されている人々に恩赦を与えるのが筋であると語りました。
「多くの研究によれば、大麻は他の合法ドラッグよりも害が少ないです」「規制された合法化を検討することは適切です。もしそうなった場合、(大麻関連の犯罪で有罪判決を受けた)人々が刑務所に居座り続けるのは筋が通りません。恩赦を与えるのが適切でしょう」
またパベル大統領は、ミロシュ・ゼマン(Miloš Zeman)前大統領が法務省に委任していた大統領の恩赦権限について見直す必要性を強調。
恩赦プロセスに専念する責任と人員を含め、大統領自身が恩赦の権限全体を取り戻すことを目指しており、すでにこの問題についてパヴェル・ブラジェク(Pavel Blažek)法務大臣と協議。大統領は主に誤判、不釣り合いな厳罰、重大な人道的配慮を伴うケースに対処するために恩赦を活用することを想定しています。
チェコは今年4月、嗜好用大麻の合法化計画を明らかにしています。これによれば、個人使用目的で1日5gまでの大麻を購入・消費できるようになり、大麻の販売も行われる予定です。計画通り市場を開放すれば、年間約20億CZK(約130億円)の収入が得られる見込みとなっています。
一方、チェコは同じく4月に、ヘンプ由来のCBDやその他カンナビノイドの販売を禁止する意向を発表し物議を醸しましたが、この計画はすでに撤回されています。
このような中でチェコは最近、他のヨーロッパ諸国で禁止されるようになっているHHCを同国において禁止せず、規制のもとで流通させる方針を決定しています。HHCやその他の合成精神活性製品を購入できるのは18歳以上の成人に制限され、販売者の監視下で購入する必要があり、自動販売機での販売や広告は禁止されます。
チェコ海賊党はこれを支持し、「露骨な禁止が答えではないことは、ずいぶん前に明らかになりました」「その代わりに、子供と大人の両方のユーザーに対する保護を強化することに重点が置かれるでしょう」と述べています。
なお、日本では2022年3月よりHHCが、2023年8月4日からTHCH(テトラヒドロカンナビヘキソール)が規制物質に指定されています。
Expats.cz「Czech President shows support for electronic voting, cannabis legalization」https://www.expats.cz/czech-news/article/czech-president-shows-support-for-electronic-voting-cannabis-legalization
Newsweed「Le président tchèque soutient la légalisation du cannabis」https://www.newsweed.fr/le-president-tcheque-soutient-la-legalisation-du-cannabis/
Expats.cz「No more CBD? Czechia mulls ban on products containing hemp」https://www.expats.cz/czech-news/article/czechia-mulls-ban-on-products-containing-hemp
Newsweed「Le gouvernement tchèque suspend son projet d’interdiction du CBD et étudiera une régulation spécifique」https://www.newsweed.fr/gouvernement-tcheque-suspend-projet-interdiction-cbd/
Newsweed「Le gouvernement tchèque se prononce contre l’interdiction du HHC et du kratom」https://www.newsweed.fr/gouvernement-tcheque-contre-interdiction-hhc-kratom/