2022年8月3日、治療抵抗性の不安障害患者の不安を大麻成分CBD(カンナビジオール)が軽減したことがオーストラリアの研究者らにより報告されました。
研究に参加したのは、抗うつ薬などの薬物療法や認知行動療法などの精神療法で改善が認められなかった12〜25歳の患者31名。12週間個々の状況に合わせ柔軟に対応しながら、スケジュールに沿ってCBDを摂取。CBDの摂取量は800mg/日に至るまで徐々に増量されました。
CBDの有効性に対する主な評価にはOASIS(不安の重症度と生活障害の全般尺度)が用いられました。OASISは5項目の質問に対する回答で0〜20点でスコアリングするもので、20点に近いほど不安の重症度が高いことを意味します。
12週間のCBD使用の結果、OASISスコアの平均は治療開始時の10.8から6.3にまで減少し、42.6%相当の改善が認められました。
さらにOASIS以外にも、抑うつ症状やCGI(Clinical Global Impressions scale:精神疾患の重症度や治療による改善の尺度)などにおいても改善が認められたことが報告されました。
31名のうち25名に副作用が認められましたが、それらは疲労感、気分低下、ほてり、寒気などであり、重篤なものはありませんでした。
「これらの結果は、CBDが治療抵抗性不安障害の若者の不安軽減に有効で、かつ安全性もあることを示すが、有効性と安全性を確認するためには今後さらなる研究が必要である」と研究者らは述べています。