3月21日、カナダのブリティッシュコロンビア州に本社を置くルーシー・サイエンティフィックディスカバリー(Lucy Scientific Discovery)社は、ウェサナ・ヘルス・ホールディングス(Wesana Health Holdings)が開発中のCBDとシロシビンを配合した治験薬「SANA-013」の知的財産と関連資産を、普通株式100万株と現金57万ドル(約7,444万円)で取得する契約を締結したことを発表しました。
この取引により、ルーシー社はウェサナ社から、短期の臨床試験を完了するのに十分な量のシロシビンの供給を得る権利も獲得しています。
CBDとシロシビンを独自に配合したSANA−013は、偏頭痛、群発頭痛、三叉神経痛(顔面痛)、うつ病の治療を目的とした治療薬であり、現在も開発が進行中。
ルーシー社によれば、CBDとシロシビンの新たな組み合わせは、相補的な経路で脳に作用することを可能にします。脳内の神経ネットワークを再構築し、同時に強力な抗炎症作用をもたらすことから、抗うつ薬としても機能する可能性があるとしています。
精神疾患や中枢神経系に関連する疾患の有病率は急増しており、うつ病の治療だけでも世界市場は2019年に120億ドル(約1兆5,671億円)を超え、2029年には180億ドル(約2兆3,506億円)にまで増加すると予測されています。
ウェサナ社の創業者兼CEOのダニエル・カルシーロ(Daniel Carcillo)氏は「私は、ルーシーの経営陣に加わり、うつ病を含む精神疾患に苦しむ何千万人もの人々のために、より効果的な治療法を見つけるという個人的な使命を推進できることを大変嬉しく思っています。私は、SANA-013の登録試験から得られるデータが、私個人のうつ病で観察された経験や改善と一致すると確信しています」と述べています。
ルーシー社のCEOであるクリス・マクルバニー(Chris McElvany)氏は「ウェサナ社のSANA-013医薬品開発プログラムを加えることで、当社の事業領域を拡大できることを嬉しく思っています」「規制当局が私たちの製造事業をより成長させるであろうサイケデリクスを承認するのを待ちながら、患者さんに役立つ有望な治療薬を独自に開発することは、ルーシー社にとって論理的な次のステップとなります」と述べています。
また、ルーシー社は2月16日、製造認可物質リストにコカインとヘロインの製造を追加するためのライセンスをカナダ保健省に申請したことを発表しています。
Lucy Scientific Discovery「Lucy Scientific to Acquire SANA-013 Psychedelic Assets from Drug Developer Wesana Health」https://ir.lucyscientific.com/node/6711/pdf
Mugglehead Magazine「Lucy Scientific and Wesana Health partner to develop CBD and psilocybin-based drug」https://mugglehead.com/lucy-scientific-and-wesana-health-partner-to-develop-cbd-and-psilocybin-based-drug/