ビル・ゲイツが大麻使用について語る

マイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツ氏は自身の新たなポッドキャスト番組「Unconfuse Me with Bill Gates」で過去の大麻使用について語るとともに、大麻政策における連邦法と州法のギャップは解決されるべきであるとの考えを明らかにしました。

初回となるこのエピソードでは、俳優であり大麻ライフスタイル企業「Houseplant」のオーナーであるセス・ローゲン（Seth Rogen）氏と、彼の妻であるローレン・ミラー・ローゲン（Lauren Miller Rogen）氏がゲストとして参加。

両者はアルツハイマー型認知症の研究に焦点を当てた団体「Hilarity for Charity」の創設者であり、2019年には大麻のチャリティ・カーニバルを開催し、そこで得た収益をこの疾患の研究費用に充てています。

ゲイツ氏はアルツハイマー型認知症を患っていた父と過ごした経験から、今回の番組でローゲン夫妻を招き、この病気について語り合うことが主な目的となりました。しかし番組の後半では、ゲイツ氏がローゲン夫妻に大麻の話題を振ったことで、3者は大麻についての話で大いに盛り上がりました。

ゲイツ氏は高校時代、同級生の大多数が大麻を吸っていた中で、仲間と打ち解けるために時々大麻を吸い、それが「クールになろうとするための一環」であったと語りました。

また、ゲイツ氏は「コロラド州とワシントン州で初めてこの制度（嗜好用大麻の合法化）が導入された時、つまり私の州が最初に導入された州のひとつだったわけだけど、”すごい、本当に物事が変化している”と思ったよ」

「連邦レベルの規制と州レベルの規制が依然としてみられるという事実には、ある時点で解決されなければならない矛盾が確実に存在する」と述べました。

なお、セスは若い頃からたくさん大麻を吸ってきたものの、スティグマを払拭するため、あえてそのことを隠さず人々に話してきたことを強調。大麻を吸っていても彼は多くのキャリアを築き、負け犬にも怠け者にもならなかったと語りました。

一方、ゲイツ氏は大麻の合法化に伴う問題の1つとして、大麻の効力について言及。

「違法だった時に大麻を吸っていた仲間の多くは、実際には摂取量がかなり控えめだった」「少なくとも大麻が合法な世界に移行したことで、特にエディブルでは、本当に極端な量を摂取することができるようになっている」「つまり、”5パフ吸えば”どうなるかは分かるけど、口から摂取する場合にはそれが全く分からないんだ」

セスはこれに同意し、それがエディブルを避ける理由だと説明。製品の効力を標準化するための連邦規制が必要であると述べました。また、セスによれば、大麻のアイコンとしてよく知られるスヌープ・ドッグ（Snoop Dogg）のような熟達者でさえも、「エディブルは食べない」と言います。

また、ゲイツ氏はセスに大麻の発がん性について質問。これに対しセスは、明確な証拠はないと返答。一方、大麻の使用について様々な医師に話してきたものの、大麻をやめるよう言われたことはないと述べました。

この話の流れで、セスは大麻が認知症に有効な可能性について触れるも、大麻が連邦法でスケジュールⅠ（乱用の危険があり、医療的価値が低い）に分類されているため、これを検証する研究に対し資金提供をすることができないと語りました。

その後、ゲイツ氏は「もし私たちがゼロからスタートして、”この社会ではアルコールと大麻のどちらか1つのドラッグを使ってもいい ”と言われたら、人々はどちらを選ぶだろうかといつも考えている」と発言。

これに対し、ローレンは「友人と出かけると、彼らはお酒を飲む。もちろん、私もたまに飲む。でも、お酒を飲む量と大麻を吸う量、飲んだ翌日の人とマリファナを吸った翌日の人を比べると、全く状態が違う」と述べ、セスも「アルコールは最悪なドラッグだよ。彼らはそこで本格的なマーケティングをした。彼らは25分間楽しくなった後、頭痛がして、吐いて、翌日にはひどい気分になるドラッグを選んだんだ」と語りました。

ゲイツ氏はこれらのローゲン夫妻の発言に同調し、「（アルコールを摂取した人は）バカなことを言うしね」と述べました。