2023年1月、南米の国アルゼンチンは医療用大麻や産業用大麻の産業を強化するための新たな連邦政府機関である大麻産業規制庁「ARICCAME(Agencia Regulatoria de la Industria del Cáñamo y del Cannabis Medicinal)」を正式に発足。
これ以降アルゼンチンでは、輸出だけでなく、国内市場の確立に向けた基盤作りが着実に進んでいます。
アルゼンチンの大麻産業規制庁「ARICCAME」の3人の理事の1人であるガブリエル・ヒメネス(Gabriel Gimenez)氏は先週、ロイター通信の取材に対し、「この業界には信じられないほどの可能性がある」と述べています。
ヒメネス氏によれば、現在国内で51件の大麻の研究開発プロジェクトが進行中です。
サンタフェ州にある医療用大麻研究開発センター(CIDCam)は200種類以上の大麻を保有し、今月2度目となる収穫を実施予定。このプロジェクトは、生産者が様々な遺伝子を使用して実験を行うためのものとなっています。
また、国立種子研究所(INASE:National Institute Of Seeds)は、現時点で追跡可能な大麻種子を13種類認可。
アルゼンチンの生産開発省の報告書では、大麻産業において、2025年までに1万人以上の新規雇用、5億ドル(約680億円)の国内売上、5千万ドル(約6,800万円)の輸出が見込まれています。
大麻ビジネス関連の民間企業約200社で構成されるアルゼンチン大麻商工会議所(ARGENCANN)の会長であり、保健省から初の認可を受けた民間ベンチャー企業「パンパ・ヘンプ(Pampa Hemp)」の共同創業者であるパブロ・ファツィオ(Pablo Fazio)氏は、需要があれば原料を用いた製品で新しい国内産業に火をつけられるとし、「それ自体が革命である」と述べています。
現在アルゼンチンでは、薬局において大麻由来製品の販売が認められており、政府は保険会社にこれらの製品を保険適用とするように命じています。
一方、嗜好用大麻は違法となっています。
Reuters「Argentina makes headway in establishing a cannabis export industry」https://www.reuters.com/markets/commodities/argentina-makes-headway-establishing-cannabis-export-industry-2023-03-08/
Sky News「Argentina targets $500m in cannabis sales and 10,000 jobs as it eyes up export market」https://news.sky.com/story/argentina-targets-500m-in-cannabis-sales-and-10-000-jobs-as-it-eyes-up-export-market-12828710
MJBizDaily「Argentina targets $50 million in medical cannabis exports by 2025」https://mjbizdaily.com/argentina-targets-50-million-in-medical-cannabis-exports-by-2025/