大麻使用により約92%が疲労の軽減を報告

大麻使用により92%が疲労の軽減を報告

- アメリカの調査研究

2022年4月、大麻の使用が疲労に与える影響を調査した結果がアメリカの研究者らにより報告されました。

大麻使用は副作用として疲労が報告されることが多く、2015年のシステマティックレビューにおいても一般的な副作用の1つとして疲労が挙げられています。一方で、がん患者1120名を対象とした調査では参加者の27%で30%以上の疲労の軽減が報告されており、一貫性がありません。

今回の研究では市販されている大麻の花(バッズ)が疲労に与える影響について、Releaf Appのセッションデータを用いて調査・分析が行われました。Releaf Appは大麻やCBD製品の購入先・製品情報・使用状況・使用による効果や副作用などを追跡することのできるアプリです。疲労度は1〜10の10段階で評価され、数値が大きいほど疲労度が高いことを意味しました。

2016〜2019年の間における1224名の3922のセッションデータを分析した結果、大麻使用者の約92%の疲労の軽減が報告されました。大麻使用開始時の疲労度は平均6.1でしたが、大麻使用により2.6にまで減少しました。

最も疲労の軽減を報告した摂取方法はジョイントで、逆に最も効果が少なかったのはベイプでした。他にも高レベルのTHC(テトラヒドロカンナビノール)CBD(カンナビジオール)を含有した製品の使用と初めての大麻使用は、症状の緩和が少ないことと関連していました。

また、この研究では大麻による副作用についても調査されました。最も多く報告されたポジティブな副作用はリラックス(62%)、平和的になる(55%)で、ネガティブな副作用は口渇(32%)、ぼんやりとした感じになる(24%)でした。状況によりポジティブともネガティブとも捉えられる副作用として多かったのは、ハイになる(46%)でした。なお、高レベルのCBDを含有した製品の使用では、ネガティブな副作用の報告が少なくなりました。

今回の研究結果により、大麻の花が疲労回復に有効である可能性が示されました。ただし、大麻未経験者は高濃度のTHCやCBDの使用を避けるべきだろうと研究者らは述べています。一方、CBDに関しては大麻のネガティブな副作用を軽減することも考慮に入れるべきだろうとしています。

廣橋 大

麻マガジンライター。看護師国家資格保有者。2021年より大麻の情報発信に携わる。

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