世界アンチドーピング機関(WADA)は、陸上100m走最速女王シャカリ・リチャードソン(Sha’Carri Richardson)選手が東京オリンピック出場決定後に大麻成分が検出され資格停止処分を受け、東京オリンピック出場取消となった騒動について公式に見解を示しました。
WADA公式見解の要約
・WADAは、禁止薬物リストを常に見直し更新しており、その決定は参加国政府の代表者の合意に基づいて行われている。
・WADAは、禁止リストの作成と公開において、各国との調整をしている立場にすぎない。
・禁止リスト委員会は、12議席のうち3議席を米国が占めており、世界のどの国よりも米国の代表性は高い。
・2004年に最初の禁止薬物リストが発表されて以来、禁止薬物リストに大麻成分が含まれていることに関して、WADAは米国の関係者から異議を受けたことはない。
・それどころか、米国は禁止薬物リストに大麻成分を含めることを最も声高に強く一貫して主張してきた。
・今回の出場停止処分は、米国アンチドーピング機関(USADA)によって決定された為、WADAは当事者ではなく東京オリンピックへの出場に対して今回の決定を無効にする立場にない。
(WADAのツイート翻訳)
WADA は、米国アンチドーピング機関(USADA)がシャカリ・リチャードソン(Sha’Carri Richardson)さんに課した 1 ヶ月の資格停止処分について、ラスキン(Raskin)議員とオカシオ・コルテス(Ocasio-Cortez)議員への回答を発表しました。
回答の全文は以下をご覧ください。
WADA publishes response to U.S. Congressman Raskin and Congresswoman Ocasio-Cortez regarding the one-month suspension levied by the United States Anti-Doping Agency (USADA) against Ms. Sha’Carri Richardson.
Read the full response below:https://t.co/LU2H639sOz
— WADA (@wada_ama) July 10, 2021
今回のシャカリ・リチャードソン選手の大麻使用騒動は、一般人のみならず、アスリートや著名人、政治家など多くの人が彼女に賛同を示しています。
そして、その世論に動かされるように、ホワイトハウスや全米陸上競技連盟(USATF)、米アンチドーピング機関(USADA)、そして大麻合法化反対派であったバイデン大統領までもが「ルールはルールであるが、そのルールが正しいかどうかは別の問題」という趣旨の発言をしました。
更に、議員たちが「市民的自由と市民的権利のために、あなた方が行っていることを覆すように」と世界アンチドーピング機関(WADA)に痛烈な書面を送っていました。
今回は、その書面に対する公式な返答を世界アンチ・ドーピング機関(WADA)が行いました。
今回のシャカリ・リチャードソン大麻騒動
代表選考会で優勝
オリンピック出場決定
6月19日にオレゴン州で行われた米国代表選考会女子100m走で優勝しオリンピック出場決定
薬物検査で陽性
東京オリンピック出場取消
薬物検査で大麻成分THCが検出され、資格停止処分となり東京オリンピックの出場が消える
本人がインタビューで
大麻の使用を認める
代表選考会2日前に母の死を知り、ショックから辛い気持ちを和らげるために使用したことを告白。「何をすべきか、何をしてはいけないかを知っているが、それでもこの決断をした。言い訳はしない。」と自身の言葉で語る。
多くのアスリート、著名人、政治家が彼女の支持を表明
彼女の告白後「大麻に運動能力を高める効果はない」「大麻を合法である場所で使用して五輪出場資格を奪うのはおかしい」と批判が米国中から殺到し、SNS等で多くの議論がされる。
議員たちがアンチドーピング機関に対し「市民的自由と市民的権利のために、あなた方が行っていることを覆すように」と痛烈な批判を書面で送付。
全米陸上競技連盟、ホワイトハウス、米アンチドーピング機関がルール変更を示唆
批判の声は大きく、騒動は大きな広がりを見せる。それを受けて、各団体、政府機関、バイデン大統領に至るまで意見を求められ「ルールは、ルール。だが、そのルールが正しいかどうかは違う。」と再考すべきとそれぞれが答える。
世界アンチドーピング機関(WADA)が大麻禁止ルールの責任は米国にあると指摘
禁止薬物リストは各国の代用者の意見に基づいて作成されており、代表者は米国の数が一番多く、禁止薬物リストに大麻成分を含めることを最も声高に強く一貫して主張してきたのは米国であり、決定後も米国からWADAに対し異議を受けた事はないと主張