全米陸上競技連盟、大麻使用についての処罰を「再考すべき」と発表

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アメリカの人気アスリートであるシャカリ・リチャードソン選手(Sha’Carri Richardson)(21歳)は、マリファナ成分THCの陽性反応により、東京オリンピックの出場権を失いました。

それに対して、アメリカの全米陸上競技連盟(USATF)は、大麻による選手の処罰に関する方針を「再考すべきである」と発表しました。

今回の出場停止処分を非難する多くのファン、支持者、著名人、議員などの声を反映した重要な声明です。

全米陸上競技連盟は、「何よりもまず、シャカリ・リチャードソン選手に対して情状酌量することに非常に共感し、彼女の説明責任を強く称賛すると共に、陸上トラックの内外で彼女を継続的に支援します」と述べました。

しかし、「心からの理解を示し、世界アンチドーピング機関(WADA)の規則が再考されるべきであることに全面的に同意しますが、現行のルールを認識し遵守しなければならず、夢を実現しようとした全てのアスリートに対して公平性を保つ必要がある」とも述べました。

先日は、ジョー・バイデン大統領が「ルールはルール」としながらも、「ルールのままでいいのか」という点については考える必要があると示唆しました。

この発言は、これまで嗜好用大麻合法化に反対の姿勢を見せていた大統領としては注目に値するものです。

 

 

米国では、主要なプロスポーツにおいて、すでに大麻合法化拡大を受けて改革を進めています。

全米スポーツで1番の人気を誇るNFL(アメリカンフットボール)では、2020年に薬物検査方針を明確に変更し、NFLの選手は大麻に限らず、あらゆる薬物の陽性反応が出ても、試合出場停止処分を受けることはありません。

日本人にも人気のあるMLB(メジャーリーグベースボール)は、2019年に禁止物質リストから大麻を削除しました。

石井 竜馬

麻マガジン創設者兼編集長。標高1,000mの山の中で井戸を掘り、湧き水と共に家族で農的暮らし。珈琲焙煎士でもある。ヨガ歴20年。ワクワクするスタートアップにシードからレイターまで投資ラウンド問わず投資したいため、起業家との出会い募集中。

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