サイケデリクス(幻覚剤)が幼少期の虐待によるトラウマ症状を軽減した研究結果が発表される

サイケデリクス(幻覚剤)が幼少期の虐待によるトラウマ症状を軽減した研究結果が発表される

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サイケデリクス(幻覚剤)の使用によって幼少期に虐待を受けた成人のトラウマ症状を軽減した研究結果がChronic Stress誌に掲載されました。

The New School for Social Researchの博士課程に在籍する研究者CJ・ヒーリー氏は、「サイケデリクスの治療効果に関する臨床研究は数多くありますが、非臨床的な自然環境で行っているサイケデリクス使用による治療の研究はほとんどありません。世界中でサイケデリクスを使って自分を癒している人のほとんどは自然の中で、友人と一緒に、家で、レイヴで、といった自然主義的な環境でサイケデリクスを使用しています。私はこのような環境でのサイケデリクスの使用が、特に幼少期に複雑なトラウマを抱えた人たちの症状の軽減や自己概念の改善に繋がるかを研究したかったのです」と述べています。

 

今回の研究は、英語圏の166人の成人を対象に、幼少期の虐待による心的外傷後ストレス障害(PTSD)、恥感情について調査を行いました。

調査対象者の93%が子どもの頃に身体的・精神的・性的虐待や育児放棄など重度な虐待を受けており、約3人に1人が治療目的でサイケデリクスの使用経験があると答えました。

子ども時代の虐待は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)と恥感情の両方の値が高くなることが判明。しかし、治療目的でサイケデリクスを使用した経験のある人は、トラウマによる永続的な負の症状が緩和されたのです。

特に劇的な結果が得られたのは、感情のコントロール障害、否定的な自己概念、人間関係の乱れなどから来る「自己組織化」と呼ばれる分野のトラウマ症状です。

5回以上治療目的でサイケデリクスを使用した場合、この分野の問題症状が少ないことが分かりました。

 

多くのサイケデリス研究と同様に今回の研究もまだ予備的な段階にありますが、今後の研究で解決できる可能性があります。

例えば、サイケデリクスの使用が症状の軽減を引き起こしているのか、症状の軽い人が何らかの理由でサイケデリクスを使用しやすいのか、といったことは今回の研究では分かっていません。

また、今回の参加者は白人が90.4%となっており有色人種のデータが不足しています。

さらに、生まれつきの身体的性別と自分が認識する性別が異なるトランスジェンダーの割合が9.6%、異性愛者ではない割合が49.7%とLGBTQ+の参加者が多い結果となりました。

石井 竜馬

麻マガジン創設者兼編集長。海外のヘンプ企業・医療用大麻企業に投資家として関わる。コロナ騒動を機に日本で山暮らし開始。標高1,000mの地で井戸を掘り、湧き水と共に農的暮らし。珈琲焙煎士でもある。ヨガ歴20年。

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