パナマ、医療用大麻製造ライセンスを初発行

1月15日、中米の国パナマ共和国は7つの企業に対し、国内初となる医療用大麻製造ライセンスを発行しました。

パナマは2021年に「法律第242号」を可決し、中米で初めて医療用大麻を合法化。この法案に従い、ラウレンティノ・コルティソ（Laurentino Cortizo）大統領は2022年8月、獣医学、科学、研究、医療目的の大麻とその派生物を規制する2つの行政命令に署名しました。

この規制によれば、専門的なトレーニングを受けた医師であれば誰でも、医療用大麻を処方することが可能。国家プログラムに登録された患者はアルツハイマー型認知症、がん、自閉症スペクトラム症、関節炎、HIV、エイズのために医療用大麻を使用することができます。

また、パナマの法律では、認可された動物病院がペットに医療用大麻を処方することも認められています。

保健省は大麻やその派生物の輸出入、商業化、製造、衛生登録を許可するライセンス発行を担当。また、農業開発省は大麻の栽培や大麻種子の管理と使用に関連する活動において権限を有しており、各種ライセンスの承認を行うことになっています。

さらに、公安省の下には「医療用大麻に関連する活動を監視するための国家総局（Dirección Nacional para el Monitoreo de las Actividades Relacionadas con el Cannabis Medicinal）」が設立され、同局は特に、医療用大麻の製造や科学的研究に使用される区域や建物の取り扱い、輸送、保管、立地に関する安全要件を定めることを任務としています。

法律第242号では、同法の施行から5年間、医療用大麻製造ライセンスは7件までしか認可されないことになっています。そのため、医療用大麻製造ライセンシーは当面、今回承認された7つの企業のみとなります。

コルティソ大統領は2022年に行政命令に署名した際、「パナマは薬用及び治療目的での大麻使用に関して、地域レベルで最も堅固な規制のひとつを有しており、その結果、この解決策を長年待ち望んでいた何千人もの患者を救済することができる」と述べています。

なお、嗜好用大麻に関してはパナマで違法のままとなっています。

同じ中米の国であるコスタリカは2022年、パナマに続いて医療用大麻を合法化。同国はパナマよりも進展が早く、2023年5月には国内初となる医療用大麻の栽培・加工ライセンスを発行しています。