大麻使用は、善玉コレステロール値を増加させる

大麻使用は、善玉コレステロール値を増加させる

- ペルーの横断的研究

大麻には食欲を増進する作用があり、この作用は大麻使用者の間で「マンチー」と呼ばれています。

がんなどで食欲が低下している患者さんにとってこの作用が有益となるのは想像に難くないと思いますが、一方で普通に食欲がある人にとってはシンプルに食べすぎにつながり「肥満の原因になるのでは?」という疑問が浮かぶのではないでしょうか。

ところが不思議なことに、いくつかの研究では大麻使用者では肥満度が低いことが報告されています。これは大麻がエンドカンナビノイドシステムに作用することにより、脂質の代謝に影響を及ぼすことなどが可能性として考えられています。

そして2022年8月12日に公開された論文では、大麻使用後に善玉コレステロール値が有意に増加したことがペルーの研究者らにより報告されました。

この研究では糖尿病、脂質異常症、高血圧などの生活習慣病の既往歴がない20名の大麻ユーザー(平均31歳。少なくとも1年以上、毎週あるいはそれ以上の頻度で大麻を使用)を対象とし、大麻使用前後における血清コレステロール値の変化が調べられました。血液検査を実施した30分後に約0.2gの大麻(品種等は不明)を喫煙してもらい、その30分後、120分後に再度血液検査が実施されました。

結果は以下の通り。

大麻使用前後におけるコレステロール値の平均

※コレステロールの基準値

総コレステロール(T-Cho):130-219mg/dl
値が高いと脂質異常症が疑われる

善玉コレステロール(HDL-C):40mg/dl以上
値が低いと脂質異常症と診断

悪玉コレステロール(LDL-C):139mg/dl以下
値が高いと脂質異常症と診断

善玉コレステロール値は大麻使用後時間経過と共に値が増加。120分後には61mg/dl以上の人が増加し(使用前10名→17名)、その値の増加は統計的にも有意となりました。

総コレステロール値は大麻使用120分後においてのみ、悪玉コレステロール値は使用30分後においてのみ低下がみられましたが、統計的に有意とはなりませんでした。

大麻使用後、望ましいコレステロール値となった人数

なお、今回の研究が行われたペルーにおいて医療用大麻は合法化、嗜好用大麻は非犯罪化されています。

廣橋 大

精神病院に勤める現役看護師。2021年初頭より大麻使用罪造設に向けた動きが出たことをきっかけに、麻に関する情報発信をするようになる。「Smoker’s Story Project」インタビュアー。

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