オレゴン州の新たな法案「上院法案864号」は2022年以降、地方自治体が小売業者に課すことのできる最高税率を3%から10%に拡大するとしています。
これにより、州としては、2020年に1億3310万ドルの税収が合法大麻からありましたが、市や郡の税収も上がって7,000万ドルに達する可能性があると予測をアナリストがしています。しかし、大麻販売の業界関係者は反発しており、多くの事業者を違法マーケットに追いやる可能性があると業界の専門家は述べています。
オレゴン州の大麻税
2014年に合法化した際、大麻生産者は1オンス(約28グラム)あたり35ドルの収穫税を支払っていました。
2015年、オレゴン州議会はこの生産者税を、小売業者に課す17%の売上税に変更。また、地方自治体が小売業者に対して最大3%まで課税することも認められました。
オレゴン州税務署の報告書によると、同州では大麻の売上が2019年の7億9,500万ドルから2020年には11億ドル以上に上昇。また、大麻産業は国内で最も雇用者を増やしている分野であり、オレゴン州だけで最大22,000人の雇用を担っていることが、経済学者のボー・ホイットニー(Beau Whitney)氏の調査で明らかになりました。
ホイットニー氏によると、大麻の売上税が1%上がるごとに、価格が上昇し顧客が離れ、違法マーケットでの販売が2%増加する可能性があるといいます。地方自治体が最大税率を求めれば、合法販売が大きく減少すると試算しています。
ポートランドの大麻ショップ「Luminous Botanicals」のオーナーのSally Alworthによると、大麻事業許可証の取得のために州に5,000ドル、ポートランド市に4,000ドルを支払い、さらに市、郡、州に平均して年間純利益の62%を税金として支払っており、ビジネスに再投資するための資金はほとんど残っておらず、増税に対応して価格を下げる余裕はありませんと、州議会議員に訴えています。
2019年11月1日から2020年9月30日の間に州が新たに発行した大麻生産者免許は81件と、免許発行が始まって以来、最も少ない数となりました。小規模事業者では太刀打ちできず、オレゴン州の大麻市場は多額の出資を受けている大規模チェーン店か、複数州にまたがる大規模事業者に売却する、もしくは税金のかからない違法マーケットに仕方なく販売するしかないような状況になっています。