ニューヨーク州議員、サイケデリクス(幻覚剤)合法化法案を提出

ニューヨーク州議員、サイケデリクス(幻覚剤)合法化法案を提出

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2022年の年末、州内初となる嗜好用大麻の店舗販売で賑わった米ニューヨーク州。ニューヨーク州では大麻だけでなく、サイケデリクス(幻覚剤)においても政策に動きが見られています。

2022年12月末、ニューヨーク州議員らはサイケデリクスの合法化法案「A00114」の事前提出を行いました(正式な提出は1月4日)。

この法案は、21歳以上の成人による天然植物・菌類由来の幻覚剤の所持、使用、栽培、生産、分析、贈与、交換、共有を合法とするもの。

「天然植物・菌類由来の幻覚剤」には、DMT、イボガイン、メスカリン、シロシビン、シロシンが該当します。

この法案にはそれ以外に、これらのサイケデリクスについて以下のような内容が記載されています。

・報酬の有無を問わずサイケデリクス関連のサービスに従事することや、宗教的儀式における使用が可能。

・州内の法執行機関は、サイケデリクスによる逮捕を目的として、連邦政府に協力・援助を行うことを禁止。

・サイケデリクスの使用により、職業上の資格や公的支援を剥奪されたり、メンタルヘルスや問題行動への医療サービスの受け入れを拒否されることはない。

・雇用主は、労働時間外にサイケデリクスを使用したことを理由に、労働者に対し不利益な処分を下すことを禁止。

・州内の自治体は、サイケデリクスを犯罪とする法律を制定できないが、それ以外であればこれらに関する法律や政策を採択・実施できる。

この法案の主な草案者となったのは、民主党下院議員であるリンダ・ローゼンタール氏。彼女は2021年3月に、シロシビンやシロシンを非犯罪化する法案を提出。2022年10月にはこれを大幅に修正し、今回の法案とほぼ同様となる法案を提出しています。

彼女はこの修正案と共に提出した書類の中で「誤った薬物政策は国民に壊滅的な結果をもたらした」「(これまでの政策は)メンタルヘルスの問題、物質使用障害、慢性疼痛、その他の健康問題を緩和する天然の幻覚剤へのアクセスを妨げてきた」「これらの物質を犯罪として扱うことは、ニューヨーク州民を不必要に投獄する危険性があり、サイケデリクス治療を切望している人々を否定することにもなる」と述べています。

彼女は2021年に、サイケデリクスの治療的可能性を調べるための研究所を州内に設立する法案も提出しています。

Marijuana Moment「New York Lawmakers File Psychedelics Legalization Bill For 2023」https://www.marijuanamoment.net/new-york-lawmakers-file-psychedelics-legalization-bill-for-2023/

NEW YORK STATE ASSEMBLY「A00114」https://assembly.state.ny.us/leg/?default_fld=&leg_video=&bn=A00114&term=2023&Summary=Y&Actions=Y&Memo=Y&Text=Y

Marijuana Moment「New York Lawmaker Files Bill To Decriminalize Psilocybin Mushrooms」https://www.marijuanamoment.net/new-york-lawmaker-files-bill-to-decriminalize-psilocybin-mushrooms/

Marijuana Moment「New York Lawmakers File Amended Psychedelics Legalization Bill, With New Regulations And Protections」https://www.marijuanamoment.net/new-york-lawmakers-file-amended-psychedelics-legalization-bill-with-new-regulations-and-protections/

Marijuana Moment「New York Bill Would Create State-Sponsored Psychedelics Research Institute」https://www.marijuanamoment.net/new-york-bill-would-create-state-sponsored-psychedelics-research-institute/

廣橋 大

精神病院に勤める現役看護師。2021年初頭より大麻使用罪造設に向けた動きが出たことをきっかけに、麻に関する情報発信をするようになる。「Smoker’s Story Project」インタビュアー。

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