大麻に含まれるカンナビノイドは100種類以上もの数あることが分かっています。
その中でも含有量が多く、有名なのはTHCとCBDです。
THCは昨今、医療用大麻の主要成分として使用されているものの治療効果と同時に精神活性作用があり、ハイになる成分としても知られています。
THCは日本において違法であり末期患者や現代医療でなす術のない患者の医療用途であっても使用が許されていませんが、ハイになるTHCの感覚や効能を合法的に使用できるものから追い求める方は少なからずいます。
逆に、ハイになることは恐れているけれど薬効を最大限に得たいというニーズもあります。
CBNは、今の日本においてそのどちらのニーズにも当てはまる可能性のある成分です。
CBNはキマる!?
CBNは軽度の精神活性(ハイ)があるという研究結果、全く精神活性(ハイ)はないという研究結果のどちらも存在しています。
筆者の私がCBNを摂取した感覚は、THCとは違うものの多くの量を摂取した時にはうっすらと精神活性作用を感じました。ハイになったと言うほどの感覚ではありませんが、ほんのりと多少のマンチーに入った時もありました。
CBNの濃度や摂取量の違いによる感覚の違いもありますが、ハイを感じる受容体や遺伝子情報は人によって個人差があることも分かっているため、感じやすい方もいれば感じにくい方もいるのかもしれません。
CBNはまだまだ研究段階のカンナビノイドのため今後より詳しく分かってくるでしょう。
CBNはハイになるTHCから生まれる
CBNは、大麻に含まれる精神活性物質であるTHCから生まれます。具体的には、大麻が日光や酸素にさらされ酸化することでTHCはCBNに生まれ変わります。
そのため、CBNとTHCは非常によく似た構造をしており、研究者はこれがCBNが多少のハイを生む作用の原因なのではと考えています。
– THCとCBNの構造 –


ハイを得たくない場合のCBN摂取対策
本記事をお読みになった方の中には、ハイになる可能性があるのなら心配で薬効が見込まれるとしてもCBNを試してみるのは怖いと考える方もいるのではないでしょうか。
諦めるのはまだ早いです。実は、研究結果ではCBNの精神作用はCBDを一緒に摂取することで精神作用を打ち消すことが分かっています。
CBNの効果
鎮静作用
CBNは最も大きな鎮静作用を持つカンナビノイドです。
緑内障の眼圧低下
CBNとTHCは、どちらも緑内障患者の眼圧を下げる効果があることが分かっています。
鎮痛作用
CBNは、有効な抗炎症薬として研究されています。特に、痛みを感知するTRPV2受容体に作用します。研究者たちはCB2受容体(CB2受容体も痛みに関わる)にも作用しているのではないかと考えています。
抗バクテリア
昨今、抗生物質に耐性を持つバクテリアが増えており、代替手段が研究されています。CBNは、抗生物質に耐性のあるバクテリアの治療薬として期待されています。ある研究では、抗生物質に耐性のあるMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)に有効であることが示されました。
抗炎症作用
CBNには抗炎症作用があることが分かっています。乾癬(かんせん)は、皮膚細胞(ケラチノサイト)が過剰に増殖し、激しい炎症と痛みを伴う疾患ですが、患部の皮膚細胞の過剰な増殖を抑制する作用も研究されており、乾癬などの症状に効果があると考えられています。
神経保護作用
動物実験では、CBNがALS(筋萎縮性側索硬化症)に対する神経保護効果をもたらす可能性が示されています。
骨組織の成長
研究者たちは、CBNが骨折の治癒を早めることにも注目しています。周囲の骨髄からMSC(間葉系幹細胞)を呼び寄せることによって骨組織の成長を促しているとされており、濃縮CBNが骨折治療に役立つ可能性があることを示しています。
日本の合法成分で少しでもハイになる感覚を味わいたい場合は、量を多く摂取。最大限の薬効を感じたいが体質的に精神作用を感じやすい場合は、CBDと組み合わせるという方法が良いと考えています。
しかし、CBNはTHCのような優れた医療効果がありながら通常はハイになるほどの精神活性作用はないため注目されているカンナビノイドではありますが、現在までのところTHCやCBDと比べると研究が進んでいません。
THC合法地域ではTHC製品が求められCBN製品は大きく広がっておらずCBNの日本への仕入れ価格は高いですが、今後の研究結果や需要によってはCBNはTHCから作られることから大量に生産することも可能であり今後に期待できるカンナビノイドです。