米デラウェア州、嗜好用大麻合法化法案を可決
州都ドーバーにある、デラウェア州会議事堂

米デラウェア州議会、嗜好用大麻合法化法案を可決

/

全米で2番目に面積が小さい州であるデラウェア州。

デラウェア州は2011年に医療用大麻を合法化。2015年には21歳以上の成人による1オンス(約28g)までの乾燥大麻の所持を非犯罪化しています。

そして、2023年1月、デラウェア州下院議員エドワード・オシエンスキー(Edward Osienski)氏は、単純に嗜好用大麻を合法化する法案「House Bill1(HB1)」と、市場の具体的な規制を定めた法案「House Bill2(HB2)」を提出。両法案は今月始めに下院にて承認され、その後上院に送られていました。

3月28日、上院議員らは単純な合法化法案「HB1」を16対4の賛成、規制法案「HB2」を15対5の賛成で可決しました。

法案の可決に先立ち、上院でこの法案を担当しているトレイ・パラディー(Trey Paradee)議員は「成人における嗜好用大麻の合法化は、民意であるため避けられません」「デラウェア州民の60%が嗜好用大麻を合法化すべきと考えています。この割合は、今後数年で確実に急拡大していくでしょう」と発言。

さらに、「”REEFER MADNESS”(大麻の有害性を訴えるため、1936年に米政府が作成した映画)の嘘とプロパガンダに煽られた古い世代も、若い世代がすでに知っていることを理解し始めています。大麻はどの基準に照らしてみても、アルコールよりもはるかに有害性がなく、カフェインやニコチンほどの依存性もなく、タバコやニコチン製品による有害な副作用、天文学的な健康関連費用や結果をほとんど引き起こしません」と述べました。

パラディー議員が述べたように、2022年10月にデラウェア大学政治コミュニケーションセンターが公開した世論調査では、州内有権者の60%が「嗜好用大麻を合法化すべき」と考えており、30%が「合法化すべきでない」と回答しています。

可決された両法案は現在、ジョン・カーニー(John Carney)州知事のもとへ送付されています。デラウェア州議会は昨年にも嗜好用大麻の合法化法案を承認していますが、州知事の拒否権により頓挫した経緯があります。

これに対しオシエンスキー議員は、今年に関しては州知事が拒否権を行使したとしても、それを覆すほどの票を押さえているため、「状況はかなり良い」と述べています。

現時点でカーニー州知事の意向はまだ明らかとなっていません。

州知事が署名すれば、デラウェア州は嗜好用大麻を合法化した全米で22番目の州となります。法案の主な内容は以下の通り。

HB1(単純な合法化法案)

・21歳以上の成人は、1オンス(約28g)までの乾燥大麻の所持、使用、共有、購入が可能。栽培や公共の場での使用は引き続き禁止。

・21歳未満の人がこのような行為に及んだ場合、初犯では最高100ドルの罰金(民事罰)が課される。ただし、警察の裁量で、罰金の代わりに召喚状を発行することも可能。

HB2(規制法案)

・アルコール・タバコ取締部門(DATE)は、新たに設置される大麻取締委員会を通じて、市場の規制を担当することになる。

・法施行後16カ月の間、規制当局は大麻小売ライセンスを最大30件まで承認できる。このうち15件は、社会的公平性を求める申請者(麻薬戦争で不利益を被ったコミュニティなど)のために確保される。

・栽培ライセンスも30件発行され、10件は社会的公平性の申請者のために確保される。

・嗜好用大麻の販売には15%の税金が課される。医療用大麻には課税されない。

・大麻事業による収益の7%は修復的司法、労働力開発、経済的に不利な人々に対する技術的援助などのサポートを行う「司法再投資基金」に寄付される予定。この基金は市民権の回復や犯罪記録の抹消を援助する技術の創造や開発にも用いられる予定だが、この法案自体に大麻関連前科を自動的に抹消するという規定はない。

・医療用大麻市場における従来の小売、栽培、製造、研究所といったライセンスに加え、社会的公正性やマイクロビジネスにおけるライセンスも追加する予定。

・地方自治体は条例により、地域内での大麻事業の運営を禁止できる。

パラディー議員はこの法案により、「悪質な大麻を販売するギャングやカルテルのいる違法大麻産業に打撃を与えるとともに、高給な雇用を伴う新たな産業が創出されるでしょう」と発言。また、嗜好用大麻販売における15%の課税は、全米で最も低い水準であるとアピールしています。

Marijuana Moment「Delaware Senate Approves Marijuana Legalization And Sales Bills, Sending Them To The Governor」https://www.marijuanamoment.net/delaware-senate-approves-marijuana-legalization-and-sales-bills-sending-them-to-the-governor/

Marijuana Moment「Delaware Voters Strongly Support Marijuana Legalization Despite Governor’s Veto, Poll Finds」https://www.marijuanamoment.net/delaware-voters-strongly-support-marijuana-legalization-despite-governors-veto-poll-finds/

Marijuana Moment「Delaware House Approves Marijuana Sales Bill Days After Passing Complementary Legalization Measure」https://www.marijuanamoment.net/delaware-house-approves-marijuana-sales-bill-days-after-passing-complementary-legalization-measure/

MJBizDaily「Adult-use marijuana legalization in Delaware heads to governor again」https://mjbizdaily.com/adult-use-marijuana-legalization-in-delaware-heads-to-governor-again/

廣橋 大

麻マガジンライター。看護師国家資格保有者。2021年より大麻の情報発信に携わる。

Recent Articles

米国医師会、違法薬物の非犯罪化を支持

現地時間6月12日、米国医師会(AMA)はシカゴで開催された年次総会において、違法薬物の非犯罪化を正式に支持する決議案を採択しました。 米国医師会は世界で最も権威ある医学会の1つであり、...

THC使用が終末期患者の生存期間延長と関連

ドイツの終末期患者のデータを分析した結果、THC治療を受けていた患者ではそれ以外の患者よりも生存期間が長かったことが明らかにされました。論文は「Medical Cannabis and Cannabinoids」...

南アフリカ、嗜好用大麻を合法化

現地時間5月28日、南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ(Cyril Ramaphosa)大統領は個人使用目的での大麻の所持・栽培を認める「私用目的の大麻法(Cannabis for Private Purposes Bill)」に...