世界最大の大麻博物館 in バルセロナ

筆者&本記事内全ての写真撮影者

Picture of 磯貝 唯菜 / 旅作家

磯貝 唯菜 / 旅作家

世界一周の旅(31の国と地域)で大麻と出会い数々のインスピレーションを得ながら帰国後、宮崎県綾町で農業マーケティングをしている。アクセスバーズ × CBDハイブランド代理店も運営。趣味は『旅・語学・読書』。

スペイン・バルセロナにある、Hash Marihuana & Hemp博物館 (以下、大麻博物館) 。

エントランスを抜けてまず目に飛び込んでくるのは、大理石の階段に大麻カーペット。

まさに宮殿のような空間である。

展示品は9000点以上と世界最大規模で、大麻についての理解を深掘りしながら「過去・現在・未来」について学ぶことができる。

大麻博物館は、バルセロナのゴシック地域にある現代建築のPalau Mornauで、大麻のために捧げられた宮殿だ。

文化人類学者のJosep Ferigla により、20129月オープンした。

近隣には、ランブラス通りやボケリア市場もあり、街の中心部に位置する。

 

大麻草の基礎知識

ヘンプ、マリファナ、カンナビス、ハシシなどの違いや用途はもちろん、インディカ、サティバ、ハイブリットなど品種の違いや生育期間や特徴などが写真や図解とともに詳しく説明されている。

   

 

 

 

顕微鏡で拡大した蕾(通称バッズ)。細かな部分まで、大麻草の生命力を確認することができる。

ネパールのハシシセンター

世界各国では歴史の中で、宗教儀式に大麻草やハシシなどを用いていたことがわかる。

(ネパールのハシシセンター)

 

薬治療抵抗性の患者のレビュー

うつや白内障やがんに対する薬治療により、極端な自殺傾向にあった患者が大麻使用後、肉体的および精神的な痛みから解放されたというレビュー。

彼らは大麻の使用により、辛い副作用や吐き気の症状が改善したと伝えている。

末期がん患者の大麻使用レビューが顔写真付き、

実名で公開されている。

大麻が歩んだ歴史

2000年前にはインドや中国ですでに医療で使用。
1000年前のローマ時代にはモロッコとアフガニスタンで使用。

1800年代 ウルグアイ・スペイン・オランダ・アメリカの薬局でアルコール漬けの大麻が販売開始。レメディとして出回った。

19世紀 エジプト・トルコ・ギリシャで販売開始

1920年 ニューオリンズでジャズ + 大麻のカルチャー発足

1942年 戦時中の米プロパガンダ映画「勝利のための大麻草」

明治時代の日本では、資生堂から「神薬」が出回っており、効能は“胸痛、腹痛、食傷、下痢、痛風、破傷風、水あたり、船酔い、頭痛、歯痛、虫歯、麻疹と万能薬だった。

1960年代 ビートルズは大麻が大好きで、クリエイティブな音楽作りに役立った。

一部抜粋だが、歴史の中で大麻がどのように使用され規制されてきたかの歴史から、

近代の大麻カルチャーへの歩みも音楽やアニメと組み合わせて理解を深められる。

社交界にはハシシルームが存在した

ポジティブ・クリエイティブになることは会議や芸術活動をより効果的にするという風潮から、ヨーロッパではメンバー制のハシシルームが流行っていた。

メンバーには芸術家も多く、大作「レミゼラブル」の作者ビクトル・ユゴーもいた。

シェイクスピアが大麻を常習していたことも書かれている。特に「真夏の夜の夢」の想像力の源は大麻であり、彼の死後もシェイクスピアデーには弟子たちが彼の家に集まり、大麻を吸う習慣も守ったという。

 

千夜一夜物語の時代のエジプト・イスタンブールのムスリムたちにとっては、大麻はリラックスツールであり、アルコールよりハシシの価値が高かったと記されている。

 

麻のさまざまな用途

日本では侍の鎧の布の部分に麻を使用していた。また、江戸時代頃までの着物の主成分は麻であった。

衣服のみならず、エスパドーリュにも使われている。麻は頑丈な性質から、船のロープや、戦時中のパラシュートに使用された。断熱材としても優秀な素材である。

 

 

Hemp-material-car-2

メルセデス、ヘンリーフォード、ジャガー、BMWはローパネル、ドアパネル、シェイプの部品に繊維が柔らかく強くてしなやかな麻を使っている。

併設のフラッグシップストア

 

大麻を使ったアパレル・化粧品・オイル・ペット用のマットレスまで幅広いラインナップが揃っている。

 

 

 

日本では法律で蓋をされてしまっている大麻。しかし、神社のお札に「神宮大麻」と記載されているほど日本人には古くから馴染みのある植物である。昨今ネットで大麻を検索すると、CBDやTHCなどの単語をよく目にするだろう。大麻博物館では、そういった知識を写真やアートや歴史とさまざまな視点から深めることができる。私はここを見学したことで、大麻が特別なものではなく、万能な植物であることから、古くから日本人にとって身近な存在であったことを感じた。

筆者としては1日も早い大麻解禁、麻が日本に戻ってくることを願っている。

 

博物館の詳細

住所:Carre Ample35
入場料:9€ (オーディオガイド無料/6ヶ国語対応/日本語はなし)
https://hashmuseum.com/en/barcelona/

Friday – Sunday 11:00 – 20:00

筆者&本記事内全ての写真撮影者

Picture of 磯貝 唯菜 / 旅作家

磯貝 唯菜 / 旅作家

世界一周の旅(31の国と地域)で大麻と出会い数々のインスピレーションを得ながら帰国後、宮崎県綾町で農業マーケティングをしている。アクセスバーズ × CBDハイブランド代理店も運営。趣味は『旅・語学・読書』。

スペイン・バルセロナにある、Hash Marihuana & Hemp博物館 (以下、大麻博物館) 。

エントランスを抜けてまず目に飛び込んでくるのは、大理石の階段に大麻カーペット。

まさに宮殿のような空間である。

大麻博物館は、バルセロナのゴシック地域にある現代建築のPalau Mornauで、大麻のために捧げられた宮殿だ。

文化人類学者のJosep Ferigla により、20129月オープンした。

展示品は9000点以上と世界最大規模で、大麻についての理解を深掘りしながら「過去・現在・未来」について学ぶことができる。

近隣には、ランブラス通りやボケリア市場もあり、街の中心部に位置する。

 

大麻草の基礎知識

ヘンプ、マリファナ、カンナビス、ハシシなどの違いや用途はもちろん、インディカ、サティバ、ハイブリットなど品種の違いや生育期間や特徴などが写真や図解とともに詳しく説明されている。

 

顕微鏡で拡大した蕾(通称バッズ)。細かな部分まで、大麻草の生命力を確認することができる。

ネパールのハシシセンター

世界各国では歴史の中で、宗教儀式に大麻草やハシシなどを用いていたことがわかる。

(ネパールのハシシセンター)

 

薬治療抵抗性の患者のレビュー

うつや白内障やがんに対する薬治療により、極端な自殺傾向にあった患者が大麻使用後、肉体的および精神的な痛みから解放されたというレビュー。

彼らは大麻の使用により、辛い副作用や吐き気の症状が改善したと伝えている。

末期がん患者の大麻使用レビューが顔写真付き、実名で公開されている。

大麻が歩んだ歴史

2000年前にはインドや中国ですでに医療で使用。
1000年前のローマ時代にはモロッコとアフガニスタンで使用。

1800年代 ウルグアイ・スペイン・オランダ・アメリカの薬局でアルコール漬けの大麻が販売開始。レメディとして出回った。

19世紀 エジプト・トルコ・ギリシャで販売開始

1920年 ニューオリンズでジャズ + 大麻のカルチャー発足

1942年 戦時中の米プロパガンダ映画「勝利のための大麻草」

明治時代の日本では、資生堂から「神薬」が出回っており、効能は“胸痛、腹痛、食傷、下痢、痛風、破傷風、水あたり、船酔い、頭痛、歯痛、虫歯、麻疹と万能薬だった。

 

1960年代 ビートルズは大麻が大好きで、クリエイティブな音楽作りに役立った。

 

一部抜粋だが、歴史の中で大麻がどのように使用され規制されてきたかの歴史から、

近代の大麻カルチャーへの歩みも音楽やアニメと組み合わせて理解を深められる。

社交界にはハシシルームが存在した

ポジティブ・クリエイティブになることは会議や芸術活動をより効果的にするという風潮から、ヨーロッパではメンバー制のハシシルームが流行っていた。

メンバーには芸術家も多く、大作「レミゼラブル」の作者ビクトル・ユゴーもいた。

シェイクスピアが大麻を常習していたことも書かれている。特に「真夏の夜の夢」の想像力の源は大麻であり、彼の死後もシェイクスピアデーには弟子たちが彼の家に集まり、大麻を吸う習慣も守ったという。

千夜一夜物語の時代のエジプト・イスタンブールのムスリムたちにとっては、大麻はリラックスツールであり、アルコールよりハシシの価値が高かったと記されている。

 

麻のさまざまな用途

日本では侍の鎧の布の部分に麻を使用していた。また、江戸時代頃までの着物の主成分は麻であった。

衣服のみならず、エスパドーリュにも使われている。麻は頑丈な性質から、船のロープや、戦時中のパラシュートに使用された。断熱材としても優秀な素材である。

 

Hemp-material-car-2

メルセデス、ヘンリーフォード、ジャガー、BMWはローパネル、ドアパネル、シェイプの部品に繊維が柔らかく強くてしなやかな麻を使っている。

併設のフラッグシップストア

大麻を使ったアパレル・化粧品・オイル・ペット用のマットレスまで幅広いラインナップが揃っている。

 

日本では法律で蓋をされてしまっている大麻。しかし、神社のお札に「神宮大麻」と記載されているほど日本人には古くから馴染みのある植物である。昨今ネットで大麻を検索すると、CBDやTHCなどの単語をよく目にするだろう。大麻博物館では、そういった知識を写真やアートや歴史とさまざまな視点から深めることができる。私はここを見学したことで、大麻が特別なものではなく、万能な植物であることから、古くから日本人にとって身近な存在であったことを感じた。

筆者としては1日も早い大麻解禁、麻が日本に戻ってくることを願っている。

 

博物館の詳細

住所:Carre Ample35
入場料:9€ (オーディオガイド無料/6ヶ国語対応/日本語はなし)
https://hashmuseum.com/en/barcelona/

Friday – Sunday 11:00 – 20:00

磯貝 唯菜 / 旅作家

世界一周の旅(31の国と地域)で大麻と出会い数々のインスピレーションを得ながら帰国後、宮崎県綾町で農業マーケティングをしている。アクセスバーズ × CBDハイブランド代理店も運営。趣味は『旅・語学・読書』。

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