昨年12月30日、カリブ海にあり「アメリカの楽園」とも言われるアメリカ領ヴァージン諸島において、嗜好用大麻の合法化法案が上院で可決。このアメリカの準州の知事であるアルバート・ブライアン氏は法案に署名し、法律を成立させる見込みであることが報じられました。
約10万6000人が暮らすアメリカ領ヴァージン諸島は、2014年に1オンス(約28g)までの大麻所持を非犯罪化し、2019年には医療用大麻を合法化。2019年にブライアン知事は嗜好用大麻の合法化法案も提出しましたが、議会で行き詰まり頓挫していました。
しかし今回の可決により、嗜好用大麻の合法化法案が知事の机の上に置かれることとなりました。
法案の主な内容は以下の通りです。
・21歳以上の成人は、2オンス(約56g)までの乾燥大麻、14gまでの大麻濃縮物、1オンス(約28g)までの食用、軟膏、チンキ剤などの大麻製品の所持が可能。
・大麻ビジネスのライセンス発行、業界の監督、広告、包装、表示などの問題についての規則を取り決める組織「Office of Cannabis Regulation(OCR)」の設立。
・ライセンスは大麻製造業者、小売業者、栽培業者、小規模栽培業者、試験所などに対し発行される。これにはマイノリティや女性などを優遇した公平性の要素も含まれる。
・OCRが発行するライセンスには上限があるが、消費者の需要が拡大するようであれば、2025年以降さらに増加予定。
・嗜好目的の大麻には18%以上の課税をするが、医療用大麻には適応されない。
・大麻による税収はメンタルヘルス、ホームレス、若者向けのレクリエーションに関する計画や、大麻プログラムの管理などに充てられる。
・大麻製品の追跡プログラムの導入。
・エディブル(食用大麻)製品のTHC含有量の上限は100mgで、1食(グミ1個など)につき10mgまで。
・バッケージやラベルには健康上の警告を記載し、21歳未満の人にアピールしないデザインにすること。
また、アメリカ領ヴァージン諸島ではこの法案に加え、2オンスまでの大麻に関連する前科を抹消する内容を含んだ別の法案も可決されました。
Marijuana Moment「U.S. Virgin Islands Lawmakers Send Marijuana Legalization And Expungement Bills To Governor」https://www.marijuanamoment.net/u-s-virgin-islands-lawmakers-send-marijuana-legalization-and-expungement-bills-to-governor/
High Times Magazine「U.S. Virgin Islands Lawmakers Pass Cannabis Legalization Bill」https://hightimes.com/news/u-s-virgin-islands-lawmakers-pass-cannabis-legalization-bill/
MJBizDaily「US Virgin Islands on cusp of legalizing adult-use marijuana」https://mjbizdaily.com/us-virgin-islands-on-cusp-of-legalizing-adult-use-marijuana/