Twitter、米国での大麻の広告規制をさらに緩和

Twitter、米国での大麻の広告規制をさらに緩和

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Twitterは今年2月に広告ポリシーを改定し、承認を受けた広告主が制限のもと、合法的に販売されているTHC及びCBD製品、大麻アクセサリー、大麻サービスに関するコンテンツの宣伝を米国内で可能としました。

4月25日、Twitterはこの広告ポリシーをさらにアップデートし、アメリカ国内の大麻合法州でより多くの広告主を呼び込むため、大麻の広告におけるルールを緩和することを発表しました

これまで広告主は大麻製品を広告に表示できず、実際に販売を促進することができませんでした。しかし、今回の改定では「今後、認定を受けた広告主は、広告クリエイティブにパッケージされた大麻製品を掲載することができます」と記載されています。パッケージから取り出した大麻やジョイントなどの写真については、現時点で承認されるのか明らかではありません。

CBDTHC、大麻関連製品などに関して、自社で運営するWebサイトやECサイトのリンクを添付することは、これまで通り可能となります。

また、「医療ライセンス取得者のためにいくつかの変更を加え、さらに嗜好用の市場も開放しました(いくつかの制限があります)」と述べられていますが、これについての詳細は現時点で明らかにされていません。

ニューヨークを拠点とする大麻産業マーケティング企業「Mattio Communications」社の創業者兼CEOであるロージー・マティオ(Rosie Mattio)氏によれば、Twitterは現在、アラバマ州、アーカンソー州、フロリダ州、ミネソタ州、ミシシッピー州、 ミズーリ州、オクラホマ州、ペンシルベニア州、プエルトリコ、ロードアイランド州、サウスダコタ州、ウエストバージニア州のユーザーを対象とし、医療用大麻広告の掲載を許可しています。

なお、大麻の広告はアメリカだけでなく、カナダとタイにおいても制限範囲内で認められています

同社で大麻広告の取り組みを主導しているアレクサ・アリアニーロ(Alexa Alianiello)氏は、今回の発表の中で「大麻及び付随する多くの企業が広告キャンペーンを実施し、当社のプラットフォームのパワーとオーディエンスの価値を、大麻分野で出現した革新的な製品と結びつけてきました。私たちは大麻産業から有意義なフィードバックを集め、それを考慮に入れて、さらに多くの機会を創出しています」「大麻の話題とつながり、それらのビジネスを前進させるために、より多くのお客様がTwitter広告の力を引き出していくことを楽しみにしています」と述べています。

「大麻企業から有意義なフィードバックを集めている」と述べているように、まだ課題は色々と存在するようです。

大麻飲料会社「Cantrip THC Drinks」のCEOアダム・テリー(Adam Terry)氏は今月始め、Twitterの広告トラッキングシステムは当初、コンバージョンを売上に換算することすらしなかったと述べ、後にようやくコンバージョン数のトラッキングを開始したものの、いまだにその売上額は表示されないとツイートしています。それ以外にも、Twitterから広告の承認を受けるまでの待ち時間が長かったり、広告料が高いなどの問題点が挙げられています。

高額な広告料に関して、アリアニーロ氏は業界からの高い初期需要を考慮すると、一時的に必要なものとしています。

ソーシャルメディアだけでなく、大手IT企業においても大麻に対する姿勢が変わってきています。

Googleは今年1月より、アメリカの一部の地域(カリフォルニア州、コロラド州、プエルトリコ)に限定し、アメリカ食品医薬品局(FDA)から承認されたCBD製品とTHC0.3%以下のヘンプ由来のCBD外用製品の広告を認めています。

Amazonは雇用前後における大麻検査を廃止するだけでなく、大麻合法化の支持を表明し、米連邦政府に対しロビー活動も行っています。日本においても2022年5月より、CBDを含むカンナビノイド製品の販売を認めています

Appleは2021年にApp Storeのポリシーを変更し、大麻が合法な地域において、大麻関連アプリの禁止を解除しています。

Twitter for Business「Enabling more brands to connect with the cannabis conversation」https://business.twitter.com/en/blog/twitter-cannabis-ads-policy-changes.html#update

Twitter for Business「Drugs and drug paraphernalia」https://business.twitter.com/en/help/ads-policies/ads-content-policies/drugs-and-drug-paraphernalia.html

Marijuana Moment「Twitter Updates Marijuana Ads Policy Again, Allowing Businesses To Feature ‘Packaged’ Cannabis Products In Promoted Tweets」https://www.marijuanamoment.net/twitter-updates-marijuana-ads-policy-again-allowing-businesses-to-feature-packaged-cannabis-products-in-promoted-tweets/

MJBizDaily「Twitter further eases US cannabis advertising rules, adds new markets」https://mjbizdaily.com/twitter-further-eases-us-cannabis-advertising-rules-adds-new-markets/

NBC Chicago「Twitter Relaxes Rules Around Cannabis Ads to Lure More Advertisers From States With Legal Pot」https://www.nbcchicago.com/news/national-international/twitter-relaxes-rules-around-cannabis-ads-to-lure-more-advertisers-from-states-with-legal-pot/3127905/

Marijuana Moment「Google Ends Ban On Advertising Certain Hemp And CBD Products In Parts Of U.S.」https://www.marijuanamoment.net/google-ends-ban-on-advertising-certain-hemp-and-cbd-products-in-parts-of-u-s/

廣橋 大

精神病院に勤める現役看護師。2021年初頭より大麻使用罪造設に向けた動きが出たことをきっかけに、麻に関する情報発信をするようになる。「Smoker’s Story Project」インタビュアー。

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