ショウガ成分やコエンザイムQ10含有のサプリが大麻の鎮痛作用を増強

ショウガ成分やコエンザイムQ10含有のサプリが大麻の鎮痛作用を増強

- イタリアのオープンパイロット試験

2022年6月、慢性疼痛緩和のために医療用大麻を使用している人々に対し、90日間あるサプリメントを併用してもらったことで鎮痛作用の増強が示されたことがイタリアの研究者らにより報告されました。

Farmad Laboratori Firenze社によって開発されたそのサプリメントの名は、Zac Q10。ショウガとオランダセンニチの抽出物であるミティドール(Mitidol)、コエンザイムQ10の吸収能力を高めたユビキソーム(Ubiqsome)、さらにビタミンB1、B6、B12を含有したサプリメントで、それぞれの成分が相乗作用することによって抗炎症・抗酸化・神経保護・鎮痛・リラックス作用をもたらすことが期待されています。

今回の研究では慢性疼痛のために医療用大麻を使用している48名を対象とし、90日間Zac Q10を1日2回(朝・夕)1粒ずつ服用してもらいました。

参加者の慢性疼痛は頭痛・偏頭痛によるものが8.3%(4名)、中枢神経系疾患が18.7%(9名)、リウマチ・自己免疫疾患が54.2%(26名)、神経障害性疼痛が18.7%(9名)となっていました。参加者は病状に応じ、THC(テトラヒドロカンナビノール)CBD(カンナビジオール)を0.02〜20mg含有した医療用大麻を使用していました。

3ヶ月後、VAS(痛みの程度を0〜10で評価する尺度)やThe Italian Pain Questionnaire(質問表を用いたイタリアの疼痛尺度)により評価した結果、70.8%(34名)において有意に痛みの減少が認められました。なお、このうち9名は開始1ヶ月目では効果が認められなかったものの、2、3ヶ月後には痛みが顕著に軽減したことを報告したと言います。

特に良好な反応を示したのは関節リウマチ(47.1%)で、次いで中枢神経系疾患(23.5%)、神経障害性疼痛(20.6%)、頭痛(8.8%)となっていました。

痛みの減少を報告した34名のうち16名が医療用大麻の使用量を変更していました。9名はTHCを平均2.4mg/日、CBDを0.94mg/日減量し、このうち2名は鎮痛剤の使用を中止していました。他にもTHCの使用量を減らしてCBDの使用量を増やした人や、逆にTHCの使用量を増やしてCBDの使用量を減らした人もいましたが、総じてTHCの使用量は平均0.31mg/日、CBDの使用量は0.14mg/日減少していたことが報告されました。

なお、25%(12名)の参加者は腹痛や胃液の逆流などの副作用や不十分な効果を理由とし、途中で試験を中断しました。

これらの結果に対し研究者らは、Zac Q10が医療用大麻と相乗作用することにより鎮痛作用を増強した可能性があるとしています。つまりこのサプリメントは医療用大麻による副作用のリスクを減らし、医療用大麻の長期的かつ安全な使用を支えてくれるサポーターとなり得ることを意味しています。

廣橋 大

精神病院に勤める現役看護師。2021年初頭より大麻使用罪造設に向けた動きが出たことをきっかけに、麻に関する情報発信をするようになる。「Smoker’s Story Project」インタビュアー。

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