州会議事堂の通路を慢性疾患患者の写真で覆い、医療用大麻の合法化求める

州会議事堂の通路を慢性疾患患者の写真で覆い、医療大麻の合法化求める

- 米ケンタッキー州

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多くの州で大麻の合法化が進む米国の中で、現在も医療および嗜好用大麻が違法となっているケンタッキー州では2023年初めからまた新たな会期が始まり、様々な法案が審議されます。

12月28日、医療用大麻の合法化を目指す団体「Kentucky Moms for Medical Cannabis」は、州会議事堂とその別館を結ぶ通路の壁に、州内で医療用大麻の使用を求める慢性疾患患者の写真350枚以上を貼り、医療用大麻の合法化を求めるアピールを行いました。

同団体の共同設立者であるジュリー・キャントウェル氏とクリスティン・ウィルコックス氏は「医療用大麻を使用することでPTSD、てんかん、がんなどの慢性疾患から命を救われた人々や、医療用大麻があれば救われると信じている人々を認識してもらうことが目的」「毎年私たちは州議会に見過ごされてきましたが、今年こそは州議会が医療用大麻の合法化案を可決することを願っています。医療用大麻の使用を求める人たちの多くはここまで来れないので、(代わりに)写真で連れてきました」と語りました。

ウィルコックス氏にはクリスマスに17歳になったばかりの娘、シェルビーがいます。シェルビーはドラベ症候群という難治性てんかんを患っており、3歳までに26回もの救急搬送を経験。現在はFDA(アメリカ食品医薬品局)承認の大麻由来医薬品エピディオレックスに助けられていると話します。

キャントウェル氏の息子プレストンも難治性てんかんを患い、ひどい時には1日に200回以上発作を起こしていました。3年前から州外で医療用大麻を使用するようになり、それから一度も発作は起きていないと言います。

通路を通った州議会議員デビッド・ミード氏にウィルコックス氏は「ハイになるためじゃない。必要だからなんです」と訴えました。その直後にはケンタッキー州知事アンディ・ベシア氏も立ち寄り、彼もウィルコックス氏らの話に耳を傾けました。

ベシア州知事は医療用大麻に対しては肯定的であり、実際に2023年1月から、がん、多発性硬化症、PTSDなど21の特定条件を有する患者において、少量の医療用大麻の所持・使用を認める州知事命令に署名しています。

しかし、ケンタッキー州では患者が医療用大麻を使用するためのインフラが整っていないため、州外に大麻を入手しに行く必要があります。

オハイオ州など医療用大麻が合法な州の多くは、州外の人が医療用大麻薬局(ディスペンサリー)を利用することを認めていないため、嗜好用大麻が合法な州まで大麻を購入しに行かなければならず、実際の使用には大きなハードルがあると言えます。

そのため、州で正式に医療用大麻を合法化し、インフラを整備していくことが強く望まれるでしょう。

WHAS11「’This is not about getting high, we need this’: Advocacy groups push for Kentucky lawmakers to legalize medical marijuana in 2023」https://www.whas11.com/article/news/local/kentucky-medical-marijuana-legislation-2023-governor-beshear/417-78dbaa05-fe91-43f0-b194-abffd8452658?fbclid=IwAR1K-BxulUM69HtNN3ii8I_mEKIYj-GYC75NoF-078UOCFvCh2ZzFKSjbmQ

WKYT「Group of moms urges Ky. lawmakers to take action on medical marijuana」https://www.wkyt.com/2022/12/28/group-moms-urges-ky-lawmakers-take-action-medical-marijuana/

Spectrum News 1「CBD store owners says Kentuckians may struggle to obtain medical cannabis」https://spectrumnews1.com/ky/louisville/news/2022/12/05/how-to-get-medical-cannabis

廣橋 大

精神病院に勤める現役看護師。2021年初頭より大麻使用罪造設に向けた動きが出たことをきっかけに、麻に関する情報発信をするようになる。「Smoker’s Story Project」インタビュアー。

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