米オクラホマ州、医療用大麻に心の問題の解決を求める

米オクラホマ州、医療用大麻に心の問題の解決を求める

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2022年3月22日、アメリカのオクラホマ州における医療用大麻を取り巻く状況を調査した論文が、オクラホマ大学健康科学センターの研究者らにより公開されました。

オクラホマ州は2018年6月に医療用大麻が合法化され、嗜好用大麻は違法となっています。

オクラホマ州は医療用大麻ライセンス取得に必要な資格条件がない唯一の州であり、今年1月までに人口の10%にあたる40万以上もの人にライセンスが発行されています。

今回の研究は、2020年9月〜10月にかけてオンラインアンケートを実施し行われました。

有効回答者数は1898名で、このうち医療用大麻のライセンス取得者は19.3%(367名)でしたが、過去30日以内に大麻を使用した人は35.7%(676名)でした。

ライセンス取得者367名と、ライセンス未取得者1531名の間の違いを分析したところ、ライセンスを取得したのは20代の若者に多く、60歳以上では少ないことが分かりました。また、LGBTQであると認識している人、たばこやアルコールをたしなむ人、処方薬を使用している人、痛みで生活に支障が出ている人では、他の人と比べてライセンスを取得する人が多い傾向にありました。

ライセンスを取得する理由として多かったのは、不安(42.5%、156名)、うつ病(33.2%、122名)、睡眠の問題(27%、99名)、慢性疼痛(24.3%、89名)、関節炎(12.8%、47名)、偏頭痛(11.7%、43名)でした。

治療効果があったと最も多く報告されたのは不安で(210名中78.6%)、次いで睡眠の問題(135名中76.3%)、吐き気・嘔吐(40名中70%)、うつ病(176名中67%)でした。他にも双極性障害(56名中62%)、慢性疼痛(122名中61.5%)、関節炎(73名中56.7%)、偏頭痛(66名中56.1%)、筋肉のけいれん(38名中44.7%)、糖尿病(24名中41.7%)において、有効であったと報告されています。

また分析の結果、若年層(18〜35歳)では不安やうつ病に対し、高齢層(36歳以上)では慢性疼痛に対し、大麻の使用を推奨される割合が多いことが分かりました。

大麻による各症状への治療効果のグラフ

今までの研究上、医療用大麻のライセンスを取得する理由として多いのは、慢性疼痛です。全米で医療用大麻が合法な州に対して行われた2019年の調査でも、慢性疼痛(62.2%)が最も多い理由であり、次いで多発性硬化症、化学療法後の吐き気・嘔吐でした。ですが今回の研究では、不安やうつ病といった心の問題が多い結果となっています。

この違いについて研究者らは、医療用大麻のライセンスの取得条件の差が反映されているのかもしれないと述べています。例えば、オクラホマ州以外では不安やうつ病、睡眠障害に対しライセンスを発行する州は少ないからです。

この研究から、大麻は痛みや吐き気・嘔吐などの身体症状だけでなく、精神的な症状に対してもニーズが高いことを意味していると考えられます。

廣橋 大

精神病院に勤める現役看護師。2021年初頭より大麻使用罪造設に向けた動きが出たことをきっかけに、麻に関する情報発信をするようになる。「Smoker’s Story Project」インタビュアー。

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