文化庁の文化審議会は1月7日、国家公務員の文書作成の手引きとなる「公用文作成の考え方」を取りまとめ、文部科学大臣に建議しました。
※ 建議とは、意見を申し立てること
公用文作成の基準が変わるのは70年ぶりのことで、これまでは1951年に当時の国語審議会が建議、1952年に「公用文作成の要領」が通知され、基準となっていました。
変更の経緯
前回の変更から70年を経ており、内容と実態が合わない部分がありました。昨今のSNSによる広報等も含め、一般の人々に向けた情報発信にも対応できるよう変更の必要性が指摘されていました。
主な変更点
旧 | 新 | |
「!」「?」 | 言及がなく、原則使用しない | 必要に応じて使用可 |
送り仮名 | 「届出」「手続」 | 「届け出」「手続き」も可 |
カタカナにふりがなを付ける場合 | ぼおる(ぼうる) さあびす | ぼーる さーびす |
読点 | コンマ( , ) | テン( 、)が原則 |
・聞き取りにくく難しい漢語を言い換える。
例)橋梁 → 橋 塵埃 → ほこり 眼瞼 → まぶた
常用漢字表の字種・音訓で書き表せない語は次のように書く。
・訓による語は平仮名で書く
例)敢えて → あえて 未だ → いまだ 嬉しい → うれしい 宜しく → よろしく
・音による語でも、漢字を用いないで意味の通るものは、そのまま平仮名で書く。
例)斡旋 → あっせん 痙攣 → けいれん 御馳走 → ごちそう 石鹸 → せっけん
・動植物の名称を一般語として書くときには、常用漢字表にないものは仮名で、常用漢字表にあるものは漢字で書く。学術的な名称としては、慣用に従い片仮名で書くことが多い。
例)鼠 → ねずみ(ネズミ) 駱駝 → らくだ(ラクダ) 薄 → すすき(ススキ)
70年前の変更
70年前の変更では、それまで縦書きの文語体だった公用文を横書きの口語体とし、当用漢字(現在は常用漢字)を使うようになりました。
当用漢字表は1946年(1945年第二次世界大戦終結)に、日本は漢字が多すぎて識字率が上がらずに民主化が遅れているとGHQからの指示を受け、書き換えられました。大麻業界に関係のある箇所としては「痲」が使われなくなり「痲薬」から「麻薬」に変更。それによって、大麻のイメージを悪くすることにも成功したと言われています。そこに「ダメ、ゼッタイ」というキャッチコピーを加え、日本の歴史から麻は突然切り離されました。
GHQとは、「連合国軍最高司令官総司令部」という第二次世界大戦終結に伴うポツダム宣言を執行するために日本での占領政策を実施した連合国軍機関。総司令部(General Headquarters) の頭字語であるGHQや進駐軍という通称が用いられる。初代最高司令官は、ダグラス・マッカーサー。
大麻取締法は、1948年に制定された法律ですが、現在までのところ改正されていません。
本ニュースのように、70数年ぶりの法改正!と、早い段階でお知らせすることができると嬉しいです。
また、東南アジアの国タイでは、ユネスコの「無形文化遺産」へタイの大麻を登録することをタイ保健省と文化省が協力して目指しています。
タイ政府、タイの大麻をユネスコ「無形文化遺産」に登録を要請へ
source 文化庁