現在、大麻の解禁は世界的に進み、精神作用のないCBD製品の市場は国際レベルでは数千億円まで成長しています。
アジアにおいても大きな変化があり、タイが今年6月に大麻の個人使用を非犯罪化しています。
しかし、そんな世界的な大麻解禁の流れがある中、今年6月に香港政府はCBDを完全に禁止する計画を進めていると発表しました。
この法案が施行されると香港ではCBDは危険ドラッグとなります。
香港政府がCBDを危険視している理由
Why the Hong Kong government considers CBD dangerous
- THCは大麻に含まれる主要な害のある精神活性物質であり、香港ではTHCの含有を一切認めておらず、危険ドラッグ条例(DDO:Dangerous Drugs Ordinance)によって禁止されている。
- 薬物乱用防止中央登録局(CRDA:Central Registry of Drug Abuse)によると、世界の大麻解禁の流れを踏襲し、香港の大麻乱用者数が以前より多く記録されている。(2021年に報告された大麻乱用者の総数は2020年と比較すると749人から994人へ33%増加。21歳以下の若年の大麻乱用者は326人から483人へ48%増加)
- 多くの一般市民が大麻とCBDについて混乱しており、特に一部の若者はCBD製品を試したがるため、大麻の乱用につながる可能性がある。
- 大麻からCBDを抽出する場合、純粋なCBDを分離することは非常に難しく、THCを完全に除去することは現実には不可能で、様々な分析方法の検出限界以下のTHCを含むことはほぼ必然的である。
- CBD製品にTHCが含まれている可能性を考慮し、香港警察と税関はCBD製品を調査。2019年以降、120件以上、4100点以上のCBD製品の検査を行ったところ、3分の1のCBD製品からTHCを検出。
- CBDは、通常の保管条件下でもCBDからTHC への変換が起こる可能性がある。
- 大麻から抽出されたCBDと合成CBDは同じ化学構造であり、どちらもTHCに変換される可能性があるため、どちらも規制の必要がある。
- THCの含有量が精神活性をもたらすのに十分な量かどうかは関係ない。CBD製品が通常の保管条件下でTHCに変換する可能性があるという状況は容認できない。
- CBDはまた、意図的にTHCに変換することができる。それによって、CBDからTHCを入手しようとする人が出てくる危険性がある。
- CBD製品が広く出回っていることで、一般市民が大麻やTHCさえも麻薬ではないと誤解したり、規制緩和を期待したりする可能性がある。
- 今のところ、CBDの健康上のメリットの主張に権威ある結論はなく、代用品が見つかる可能性もある。 また、CBDの人体摂取の安全レベルに関する国際的基準やガイドラインも存在しない。
香港政府は、認可された医薬品以外のCBDを禁止とする法案を2022年内に提出するとしており、法案が施行される前に業者や消費者が製品を処分するための合理的な時間(例えば3ヶ月)を確保する予定としています。
また、今後は香港市民が旅行先でCBDや大麻、大麻由来製品に出会うことが多くなると予想されるため、広報を開始し国民への啓発を行うと述べています。
香港は「一国二制度」の原則のもと中国本土から名目上半独立を保っているため、CBD製品を禁止するという発表はCBDを厳しく禁じている中国本土に合わせた可能性も考えられます。
実際中国は、世界的なヘンプ生産国であるにも関わらず、国内での流通を認めておらず輸出のみを認めています。また、昨年には化粧品にCBDを使用することを明確に禁止しています。


【香港政府の発信】CBDにサヨウナラ!
CBD製品の購入や消費は避けてください。2022年にCBDを規制する法案を提案しています。CBDは意図的にTHCに変換されることがあります。等
【香港政府の発信】CBDにサヨウナラ!
CBD製品の購入や消費は避けてください。2022年にCBDを規制する法案を提案しています。CBDは意図的にTHCに変換されることがあります。等